4位

AKB48総選挙公式ガイドブック2012 (講談社 MOOK)去年のこの日は「9位」という記事*1を書いた。そこで「これ以上をいきなり望むのは身分不相応であろう。お楽しみはこれからだ」と書いたら、本当に今年はそうなってしまった。上にいるのは3人だけ、グループ創設以来の一期生メンバーをすべて抜き去るという離れ業を演じた。にわかには信じがたい結果である。テレビの生中継を見ながら、だんだん体が冷たくなっていくような緊張感を味わった。
これで指原さんは所属するTeamAでトップになった。同じチームの篠田麻里子高橋みなみ小嶋陽菜も抜いてしまった。8月で前田敦子が脱退してしまうと、名実ともにエースになってしまう。はたしてそれが48グループにとってよいのかどうかは、よくわからない。でも地位が人を作るというのはよくあることである。「もう弱音を吐かない」とスピーチした彼女が、違和感なくど真ん中で歌い踊る日が来るかもしれない。そんなことを夢想したくなる今日の結果だった。欠点だらけのエースらしくないエースが君臨するアイドルグループだっていいじゃないか。
幸運にも近々のTeamA劇場公演に当選*2している。指原さんに直接「おめでとう」を言えるなぁ、嬉しいなぁ、楽しみだなぁ。

*1:http://d.hatena.ne.jp/morio0101/20110609

*2:劇場公演を観るのは一年ぶりだ

扇風機を購う

morio01012012-06-05

東電はろくに経営努力もせずに、電気代を値上げするとかふざけたことを言っているから、できるだけ電気を使わないような生活を心がけている。夜でも基本的に仕事机のスタンド以外は真っ暗なままだし、使わない電化製品のコンセントはさっさと抜いている。決して節電意識が高いのではなく、あくまでも東電にお金を落としたくないという怨悪の感情からである。そもそも電気使用量ピーク時以外の節電なんて、ほとんど意味はないしね。
やせ我慢はもちろんしないけれど、それほどの暑さでない時はできるだけエアコンも使いたくない(就寝時はもともとつけていない)。それで今夏は扇風機を買い求めた。東京の寓居にはなかったのだ。ネットをあちこち彷徨って、消費電力が少なくて、かつ静粛性に優れているものという条件で探した。いくつか候補を絞り込んだ中で、最終的にはBALMUDAのGreenFan2*1というのに決めた。それが今日届けられた。
大阪の自宅には「危険ゆえ即回収」対象になっている大昔の扇風機がある。比較対象があまりにもあまりなのを差し引いても、この新しい扇風機のすばらしさには、感動を覚えた*2。この静かさは何ものにも代えがたい。仕事中に静かに流しているクラシック音楽の弱音をもまったく遮ることがない。こうした技術って確実に進歩しているのね。すっきりとした外観も好もしい。消費電力はメーカーの数値を信じよう。
東京の夏の酷暑にこれだけでどこまで耐えられるのか、ちょっと試してみたい気もする(無理は禁物)。

サロメ

morio01012012-06-04

言わずと知れたオスカー・ワイルドの傑作である。リヒャルト・シュトラウスによってオペラとして仕立て上げられ、欧州では人気演目として、広く音楽ファンに親しまれている。一方、これを舞台劇として上演することもよく行われている。今回、新国立劇場で上演されるのは、平野啓一郎翻訳、宮本亜門演出によるストレートプレイである。
真っ白な舞台にはお洒落なソファ*1や衝立、簡単なセットがポツリポツリと置かれ、余計な装飾はいっさいない。また登場人物たちの服装は今時のスーツやドレスであり、いずれにしてもとても古代エルサレムの物語には見えない。こうした現代的かつ優れて抽象的な舞台造りは、昨今の欧州のオペラの演出でよく行われているものであり、それをこの舞台にも援用したとおぼしい。
平野による現代の日本語で紡ぎ出される物語はたいへんに理解しやすく、また上述の通りの演出であるため、完全なる現代劇を見ているかのような印象がある。数多くの台詞が畳み掛けられるような場面でも、きちんと聴き取り理解することができる。兄を殺して彼の妻を娶り、さらにその娘に奇妙な欲望を滾らせる高圧的な王などは、奥田瑛二の暑苦しいまでの怪演ともあいまって、たいへんうまく作られている。麻美れい演じる王の妻しかり。気高さと世俗という相反する要素をうまく一つの個性として丸め込む。
そして何より魔性の女から徹底的に清冽な少女として造形化されたサロメが出色の出来であった。クライマックスに置かれる、愛する者の生首に口づけるという怖気を催す猟奇的行為すら、コドモがなんとなく蟻を踏みつぶして喜んでいるくらいの邪気のないさらりとした遊戯に見えた。それを演じきった多部未華子の凄みに唸らされる。妖艶でもセクシーでもない新しいサロメである。多部と言えば、近作の「君に届け」や「デカワンコ」あるいは舞台「農業少女」などで見せたコメディエンヌとしての印象が強かったのであるが、まったく別の面を見せてくれた*2。惚れ直した(よけいな感想です)。
20年ほども前にウィーン国立歌劇場で「サロメ」のオペラを観た。その時の印象はもうほとんど残っていないのだけれど、重々しすぎる演出に酷く疲れたことはよく覚えている。あとは樽型体躯の女性歌手と魔性の女サロメがまったく結びつかなかったこととか。その記憶が更新されるような「サロメ」だった。最終場面の演出の美しさも格別でした。新国立劇場中劇場で鑑賞。
 公式サイト http://www.nntt.jac.go.jp/play/salome/index.html (音が出ます)
パンフレットはやっつけ仕事で作ったようなもので、800円の値打ちはない。舞台衣装での写真や主要キャストのインタビュー記事すらない。なんだ、これ。

*1:真っ白なバルセロナチェアもあって、あれが汚れないかとハラハラした。貧乏性である。

*2:顔の小ささにも吃驚した

きょうのできごと

  • 今年度の新規顧客獲得大作戦特別催事第一弾*1に参加する。これまでは年に1回の参加でよかったのが、今年と来年はすべての回への参加が義務づけられている。「義務」、ああ、なんと嫌な響きだこと……。
  • 催事参会者はカラフルなTシャツを着用するように指示される。見ると、黄、薄緑、臙脂、水色……。おいおい、こんなのは着られないよ、嫌だなぁとTシャツを受け取る動作が鈍くなる。でもももクロちゃんのライブ現場では全身真っ赤です、ごめんなさい。
  • あとから赤や黒や白があることを知る。えーーーー、赤ーーーーーーー! もう黄色を着ちゃいました(=阪神ファン)。
  • 11時から16時過ぎまでほぼ立ちっぱなしで活動する。必要なのだろうけれど、何かもやもやした気持ちが残る催事である。
  • その後はエンドレス会議に突入する。終わって時計を見ると、20時を大きく過ぎていました。やれやれ。
  • 疲れ果ててはいるものの、「おしゃれイズム」にはももクロちゃんが、「情熱大陸」には彼女たちと縁の深い前山田健一が登場するとあって、少し気持ちが慰められた。結局そこか。
  • すっかり更新頻度が下がってしまったトウキョウタルビ。夏を過ぎれば、もう少しここに向ける気力も涌くと思うのだけれど。

*1:長いよ

近所をポタる

4月からは日の高いうちに勝手なことをする時間がほとんど取れなくて、それは「仕事ができる俺」とかの自慢でもなんでもなく、単なる私の怠惰(&安請け合い)のなせる業なのであるが、ために自転車に乗る時間が激減している。かわりに我が身の重さは微増している。微増ということにしたい。
ポケロケに跨がるのは目黒川に花見に出かけた時以来である。ごめんよ、床の間*1の飾りにして。特に行くあてもなく、世田谷区内をゆるゆると走り回ることにして出発した。iPhoneがあれば、道に迷うこともないだろうし、と思っていたら、持って出るのを忘れた。文字通り出たとこ勝負でさすらうことになった。
世田谷区はもともと田畑の多かった土地であるから、道も農道をそのまま活かして作られているところが多い。曲がりくねっていたり、細くなったり、行き止まりになったりで、道なりに進んでいたら、ほんとうにどこに連れて行かれるか、わからない。でもポタリングとは本来こういうものだろうとも思う。緑もけっこう多いし、暑くもなく寒くもなく、うっすらと汗ばむ程度で気持ちよく走ることができた。多摩川河川敷、爽快だった。それにしても世田谷区は広いなぁ。
帰りに経堂駅傍の鯛焼き屋でおやつを買って帰宅する。よきかな。

*1:ないけど

耳に染み入るチェロの声

バッハ:無伴奏チェロ組曲 全曲まるで哲学者のような風貌でステージ上に現れたマイスキーは、ステージ中央の椅子に腰掛けるやいなや、バッハの音楽を奏で始めた。一瞬にして彼のチェロに引き込まれる。颯爽と演奏する姿はどこまでも若々しい。
バッハの無伴奏チェロ組曲と言えば、パブロ・カザルスの立派な演奏がまず思い起こされる。体の奥底に染みつくくらいカザルスの演奏に親しんできた耳に、独特のスピード感を持って流れ出すマイスキーの音は、いささかスポーツライクで軽すぎるような印象だと言えなくもない。
しかし、バッハを重厚長大なものとして解釈して提示したのはカザルス*1であって、必ずしもそれだけが正解というわけではない。楽譜をいかに読み解き、音楽として再構築するかというのは、クラシックの演奏家にとって最も重要な問題である。良い悪い、好き嫌いはともかく、その点から言えば、マイスキーの奏でる音は、紛れもなく彼自身の知的な内省から導き出されたものであろう。
本編は第3番、第2番、第5番の3曲であったが、熱狂した観客に呼び戻されたマイスキーは三度もアンコールに応えてくれた。二列目ほぼ中央の席で格別な時間を過ごすことができた。僥倖に恵まれた。5月21日、サントリーホールで鑑賞。

*1:そしてそれに慣れきってしまったのは私自身

速報

指原さん4位。書いておかないとね。応援し始めた頃に較べると、ずいぶん(いや、強烈に)グループ内でのステータスが上がった。胸熱。まだ実弾を持っているので、これからさらに投票して応援したい。2週間後の最終結果は、さて、どうなることか。
なんだか昨日今日のエントリーはtwitter並の短さである……。