今日の獲物

仏像を切り紙細工で作るということを果たして自分がするのかどうか、というようなことはこの際考えない。木彫りは無理でも紙ならできそうという幻想妄想こそが大事である。仏像を自分で彫ろうという本はほんとにあるからね、やろうと思う人が少なからずいる…

あれを抱えて西へ

エンドレス会議の金曜日も再開する。ただ昨年度までと違って、気楽な立場に戻ったので、いたって平穏な気分で出席することができる。ありがたや。 今日は村上春樹の新刊の発売日だった。昨日から今日に日付が変わると同時に売り出すとのことで、それに合わせ…

小村雪岱で思う

Amazon KindleやApple iPadなどによって、電子出版の世界がますます注目される一方、紙媒体の本や雑誌は斜陽の一途を辿っているように見える。昨年は自分の本業に関わる老舗月刊雑誌が二誌も休刊という名の廃刊になってしまった。ベストセラーを眺めても、ご…

ボロ市にでかけてみる

秋から火曜日火曜日と呟き続けてきたけれど、年内はあと2回と相成った。ゴールが見えると、少し元気が出てくる。 夕方というか、夜までプレゼンのようなものをこなして、帰宅する。今日明日の二日間はボロ市*1が開催されているので、冷やかしに出かけてみる…

京都で籠もる

おおよそ月に一回ある、京都の某所でお籠もりする日だった。今日もいいものを見せてもらいながら、いい話をたくさん聴かせてもらった。勉強になった。 休憩時に京都文化博物館*1で催されている「第94回表展(表装展覧会)」を見学する。普段ほとんど意識した…

鑑真とかチェブとか

会議日の金曜日に一つだけ会議に出て、あとは避けられない業務を慎重にこなす。そして夕方ののぞみで大阪に戻ってくる。 新幹線の友には「芸術新潮」12月号を選ぶ。先頃、金堂の大修理が終わり、落慶法要を迎えた唐招提寺を特集している。これが実におもしろ…

囲まれる幸せ

秋の新規顧客獲得作戦で過ごす週末だった。一段落する。 このところ自転車に乗っていないので、ポケロケを引っ張り出して、砧公園から岡本の檄坂あたりをあてどなく走り回って帰ってきた。距離はないけど、やたら坂道を上り下りしたので、けっこう足にきた。…

久々の川上弘美を噛み締める

初期の川上弘美の作品はたいてい好きである。『物語が、始まる』『神様』『蛇を踏む』『溺レる』などなど。子どもを折りたたんで箪笥にしまうとか、ちょっと不思議な感じがよい。ところが、『センセイの鞄』あたりからは手慣れた感のようなものが感じられて…

透明な標本

テレビの何かの番組で見かけて、たいへん気になっていたものがある。 透明標本と呼ばれるそれは、小動物の骨格があたかも精巧なガラス細工のごとく着色され、もはや立派な芸術作品である。どうやって作っているのだろうという現実的でくだらない疑問はこの際…

美しい言葉

品川駅構内の書店で「美しい言葉」と大書した表紙を見かける。「BRUTUS」だ。どういう切り口で捉えているのか、たいへんそそられる。 文学関連は高橋源一郎と橋本治が現代ものから古典まで手広く押さえ、その他は流行歌の歌詞や葬送のことば、方言、新世代俳…

三角を反芻し、やがて、ペ

前日の余韻を噛み締めながら、ついに始まった今年度の新規顧客獲得大作戦に忙しく走り回る。とはいえ、暴れすぎた代償だろうか、朝から妙に腰が重くて困った。もっともその重み痛みで、昨日のライブを思い出し、何度も幸せな気分になっていたのだから、何が…

今日届いたものなど

森山大道の雑誌掲載された写真を集成した『にっぽん劇場 1965‐1970』と『何かへの旅 1971‐1974』(ともに月曜社)が届いた。写真から伝わってくる焦燥感や苛立ちが、今のものとは違うと感じる。ありていに言えば、かっこいいということなんだけど。 海老沢泰…

世田谷ライフ

自分の生活を気取って「世田谷ライフ」と言ってみたりすると限りなくアホっぽい。でもそういう名前の地元密着型ムック本が出ている。これまでに自転車特集の号を一冊だけ買ったことがある。最新号は30号記念ということで、これまでの集大成として、「ベスト…

いつものことで、はい

実家に立ち寄り、あれやこれやの事後処理の続きをする。人一人いなくなると、簡単にはすまないことを身をもって知る。 梅田に寄り道をして、ジュンク堂書店やタワーレコードで衝動買い的散財をして気晴らしをする。マグナムの総集編とでもいうべき写真集のコ…

あの子は理解不能

今期の芥川賞受賞作品の掲載されている「文藝春秋」を買ってきた。受賞作を読むのも楽しみだが、それ以上に選考委員による選評がおもしろおかしくてやめられない。なにしろかつて芥川賞を受賞した人たちが、自らの文学観を賭けて、新進作家の作品と対峙して…

緑と赤ならノルウェイの……

「芸術手帖」最新号の赤と緑のあざとい配色の表紙に引っかかってしまう。狙うところ、仏像の次は神社ですか? 中はそれなりにおもしろい。東京国立博物館では「伊勢神宮と神々の美術*1」という企画展が開催中である。で、表紙の赤い服を着ている人はおつれあ…

散歩のネタを得る

「散歩の達人」の最新号は漫画やその作者に縁のある土地を散歩するという特集を組む。「東京人」に比べて、ほとんど買うことのない「散歩の達人」であるが、この号はたいそうおもしろそうである。 巻頭の「サザエさんのリアル世田谷生活って?」に始まり、「…

漫画2連発の夜

楽しみにしていた『PLUTO』が終わってしまい残念に思っていたところ、浦沢直樹の新作である『BILLY BAT』(講談社)が刊行開始されていた。下山事件をどう裁いていくのか、お手並み拝見といったところか。 今春、アニメ化されたオノ・ナツメの『リストランテ…

ローカルゆえにグローバル

札幌宮の森美術館*1で開催中の「森山大道写真展 北海道<序章>*2」(図書新聞)のための写真集が刊行された。森山が1978年に北海道で撮影したモノクロ写真を中心に組んでいる。 「アレ、ブレ、ボケ」でセンセーショナルに売り出した森山が、やがてスランプ…

今日の新幹線の友

でかける直前にMacBookに繋いだままのiPhoneを強制再起動させたら、SMS/MMSが全部闇の彼方に消えてしまった。なぜ? 新大阪発ののぞみで東へ向かう。昼の遅い時間帯はN700でも空いているから、極めて快適な時間を過ごせる。上野千鶴子の『セクシィ・ギャルの…

ヒホウカンって何

朝からけっこうな土砂降りの雨になった。昨日の予報からそれがわかっていたから、一日巣籠もりすることにする。仕事の段取りも食事の買い物も昨日のうちにすませておいた。 いささか旧聞に属することであるが、中国で性をテーマにした娯楽遊園を作ったところ…

ロボロボ

桜桃忌。会議会議に忙殺されるいつもの金曜日を過ごす。 夕刻、解放されてから、近所の書店で楽しみにしていた二冊を買い込む。一冊は浦沢直樹の『PLUTO』(小学館)第八巻、もう一冊は『リボルテック大全―2006年→2009年最新プロダクトまで完全網羅! (ワール…

現実的な処世術

NB100の不安定なネット接続は、ウイルス対策やセキュリティー関係の設定が影響していたようである。なんでもかんでも開放することには躊躇いを感じるけれど、それ以前に繋がらなければ話にならないのもまた事実である。こういうところはMacは何も考えなくて…

ふかえり青豆天吾

村上春樹の『1Q84』(新潮社)を読了する。自らのリトル・ピープルや空気さなぎのことを想う。

東京の道案内本

東京に4年住んだとはいえ、そのうちの3年間は町田に引き籠もっているような状態であった。都心部に出て行くのはめんどくさくてね、とあらためて言わなくてもいいか。それでも東京のことを考えさせるような本はぽつりぽつりと買い溜めてきた。それをネタに…

目黒川の桜に乗り遅れる

会議二連発の後、夕方に目黒川まで自転車を走らせたけれど、桜花はほぼ終了、花筏も護岸の際に残骸が残るのみだった……。やっぱり遅かったか。やけくそで針穴写真を2枚だけ撮った。 「東京! 100人の新発見。」という特集を組む「Casa BRUTUS」最新号*1をコ…

気の利いた嘘はつけん

4月1日は正月のようなものというほどの覚悟はない。すぅーと静かに始まっていく感じである。人気のない職場の自室で明日以降の準備などをやっつけてきた。夕刻帰宅。 bk1から本が届く。栗原景『新幹線の車窓から 東海道新幹線編』(メディアファクトリー)…

漱石と食器棚

パッとしない天気ゆえ、家に引き籠もって過ごす。古井由吉『漱石の漢詩を読む』(岩波書店)を読んだ。近代文学の高峰の知性を通して、日本語の問題に説き至る。単なる印象批評に過ぎない昨年のベストセラー日本語本*1より、圧倒的に深くかつ重い説得力を持…

おせんと江古田ちゃん

中学生とともにN700のグリーンで帰阪する。グリーンと言っても、いつものエクスプレス予約のポイントの恩恵なんですけど。 たまたま品川駅構内の書店で「おせん」の最終巻と「臨死!!江古田ちゃん」の最新刊を見つけたので買い込む。きくち正太は「おせん」…

猪木のプロレス

プロレス。父親に付き合わされて幼い頃からよく見ていた。母親は嫌がっていたけれど。プロレスがゴールデンタイムに放映されていた「古き良き時代」の話である*1。 馬場の突き出した足に向かって体の絞り切れていない選手が走っていく全日本プロレスは好きに…