東京から考える会

東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)今年の一月に刊行された東浩紀北田暁大の『東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)』(NHKブックス)に刺激を受けた面々で大いに東京とか都市論とかを語ろうではないかという会に誘ってもらった。会と言っても参加者は私も含めて四名なんだけど*1。しかも先日ほぼ同じメンバーで集まって「近頃の新書の装丁はどうなっているのだ問題」について激論を交わしたところである*2。好奇心万歳。
集会の場は三河島と指定される。前回の蒲田に続き、またしても未踏破の地*3である。待ち合わせ時間の二時間前に自宅を出発するも、駅までのバスが大渋滞に巻き込まれ、鶴川駅に着いた時点ですでに遅刻確定である*4。ところが、この後さらに申し訳ないことになった。出発前に地図で確認したところ、千代田線の西日暮里駅からJR三河島駅まで徒歩10分くらいに見えたので、降りたら楽勝と思いきや、自分の居場所がまったくわからない。あたりは真っ暗で方向もわからないし、目印にしようと思っていた鉄道もたくさんありすぎてやっぱりわからない。ayanoさんからのメールで「EZナビウォークを」と指令が飛んできたけれど、やってみたら「まず会員登録をせよ」なんて役立たずなメッセージが画面を流れるばかりである。やけくそになって人が流れている方についていったら、あったよ、三河島駅。待ち合わせ時間からすでに40分経過……。タコさんに駅で拾ってもらう。無謀な挑戦でした。
さて、今日の食事は韓国料理である。この前は中国料理であった。ちなみにその前はモンゴル料理だった*5。某国首相も真っ青のアジア歴訪の旅である。そしてひたすら肉を喰らいながら、私鉄のヒエラルキーと縄張り意識や伝統的な街のテーマパーク化、忍び寄る国道一六号的時空間、経済的格差を覆い隠す装置、「東京人」と「散歩の達人」の差異、粉もの系食べ物の是非、妖精が夜中に仕事を片づける話(これは無関係)などなど、広範かつ興味深い話題が展開された。私はといえば、東京という都市に対する知識や先入観が皆無で、特定の固有名詞を聞いても触発されるイメージ*6がない。したがってそのフラットな捉え方にいちいち三次元的な輪郭を与えてもらったような感触があって、とてもおもしろかった。さすがに生粋の東京人の話はキレが違うと感心することしきりであった*7
話は尽きないが、店の営業時間が尽きたので追い出される。北千住まで歩くことになった。「だいたい15分」という言葉を信じて歩き始めたが、いつまで経っても「あと15分くらい」というところから数字が減らなかったのは、もしや妖精の仕業か*8。その間、足立区の実情をレクチャーしてもらった。芭蕉の『奥の細道』の出発地点にあった銅像が妙に脳裏に残っている。次の集会は吉原あたりでひとつよろしく。

*1:ayanoさん、タコさん、タコさん弟、morio

*2:http://d.hatena.ne.jp/morio0101/20070321#p1

*3:しかも地元民にとってもレアなところらしい

*4:ごめんなさい

*5:山田屋@三河島・歓迎@蒲田・故郷@池袋 どこもとてもよかった!

*6:地元民ならではの肌で感じて知っている情報

*7:ちなみに私は持参したターバン野口を帰り際に披露して喜んでもらう。どこが都市論!?

*8:結局50分