猪木のプロレス

ワールドプロレスリングの時代 金曜夜8時のワンダーランドプロレス。父親に付き合わされて幼い頃からよく見ていた。母親は嫌がっていたけれど。プロレスがゴールデンタイムに放映されていた「古き良き時代」の話である*1
馬場の突き出した足に向かって体の絞り切れていない選手が走っていく全日本プロレスは好きになれなくて、度重なるお家騒動や内紛に「人間の真実」を垣間見させる新日本プロレスの方を贔屓にしていた。稀代のエンターティナー、アントニオ猪木の興行師としての力量がすばらしかったと思う。保守本流の猪木ー藤波の師弟ラインより、長州(と維新軍)や前田(と後のUWF勢)ら傍流で危険な面々に熱狂していた。今でも「報道ステーション」が「ワールドプロレスリング」と重なって見えるのは、この頃の新日プロの名語り部であった古舘伊知郎の印象があまりにも強すぎるからである。
ワールドプロレスリング」黄金時代の元ディレクターが当時のことを語り、それが一冊にまとめられた。懐かしい話が満載である。ケロちゃん田中秀和)の前の倍賞鉄夫リングアナまで出てくる。堪らない。感涙に咽びながら読みたいと思う。

*1:NOAHの地上波中継はこの三月で終了するらしい