インセプション

インセプション [DVD] [DVD] (2011) レオナルド・ディカプリオ; 渡辺謙; ジョセフ・ゴードン=レヴィット; マリオン・コティヤール話題になっていた時には見事にスルーしてしまい、今さらなタイミングで観ることになった。2時間半の長い映画は、思い切り広げた風呂敷をいかに時間内に畳み終えるかに忙しく、そりゃもうちょっとでも目を離したら、何が何だかわからなくなるほどの疾走感があった。正直疲れましたよ。
 公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/inception/
人の夢に侵入して、潜在意識に潜むアイディアを盗み取る、あるいはそこに都合よくある種の思想を植え付けることを生業とする特殊諜報部員の物語である。この設定がいきなりややこしくて、この世界のルールを教えてくれる、RPGゲームで言うところのチュートリアルのようなお話*1が冒頭20分くらい展開する。昼行灯気味な私はそこですでに振り落とされそうになり、何度も巻き戻しては確認させられる羽目になる。だいたい外国人の顔と名前が覚えられないのよね。「君、誰だっけ?」の作業に追われているようではどうにもならない。
それでも主筋に入る頃にはなんとなくついていけるようになり、3層4層と重なる夢世界の荒唐無稽さあるいは金満豪華な映像をそれなりに楽しんでいた。ただし物語自体は相当に不親切である。しかし、そのどうとでも解釈できる不親切さはこの映画の持ち味でもあるのだろう。とりわけラストに至るいくつかの場面は、観るものに想像力がないと、まったく楽しむことはできないだろう。座っているだけでゴールまで連れて行ってくれるジェットコースターではない。
世評に見える傑作かどうかはよくわからない。同じクリストファー・ノーラン監督の作品では、これもまた賛否両論あるものの、私には「ダークナイト」の方がはるかに好ましい。

この映画に関係あるようで関係ない映像。「インセプション」と秋元康と指原さん。

*1:もっとも映画についての予備知識がないと、これ自体もかなり難解だろう