飛行船の奏でる音

morio01012011-09-08

ネットワーク・オーディオのための機器を妄想していて、いろいろと乗り越えるべき山のあることを知る。
当初は真っ当なシステムを構築すべく、ルーターNASやネット対応のオーディオセットをぶら下げることを考えていたのだけれど、さていよいよ「ポチッとな」とする直前にとんでもない事実に気がついた。大量に溜め込んでいる音楽データのほとんどすべてはAppleロスレスで取り込んだもので、これが目論んでいた機器では再生できないとのこと。なんじゃ、それ……。まさかすべてのデータをリッピングし直したり、再生できる形式に変換するわけにもいかず、ここは泣きながら別の方途を模索するしかない。
次善の策としては、USB DACと呼ばれる装置でマックのUSBから音楽データを取り出し、高品位のままアンプからスピーカーに受け渡すというものである。しかし、これはオーディオ装置がマックを置いているデスクまわりにわんさか増えて(ついでに配線や電源コードもわんさか)、見た目にまったく美しくない。そもそもそんなものがどかんと目に入るところで仕事などできない。一応、音楽母艦は仕事用のマックなので*1
こうなると、手詰まりだと思っていたところ、さすが林檎、救いの手を差しのべ賜うた。林檎謹製のAirPlayを使うのだ。簡単にまとめると、元データの質をまったく落とさず、無線でマックと再生装置を繋ぐというものである。家の中に林檎生まれの機械がゴロゴロ転がっている私にはもってこいであるのに、なぜ最初にこれが思い浮かばなかったのだろう。かつてアップルストアでその威容に接し、強烈に記憶に残っているZeppelinの新型がこのAirPlayに対応していることを知り、あっという間にこれに決めたのだった。

奏でる音はそこそこで、当初決めかけていたシステムとは比ぶべくもないだろう*2。しかし、オブジェとしての美しさや使い勝手のよさ、手軽さなどを考えると、まずまずだと思う。死蔵していた古いiPod ClassiciPod touchも生き返る。これからエージングが進めば、また印象が変わるかもしれない。今は秋の虫の音を従えて、モーツァルトを静かに歌っています。

*1:周辺にフィギュアがいっぱいあるのはどうなのさと自問する

*2:なにしろ総額がぜんぜん違うもの