激しいかるた

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)噂を漏れ聞いて、そのうちにと思っていた末次由紀の『ちはやふる』(講談社)を、年末年始の緩い時間にまとめて読み切った。競技かるたもマンガになるのだ。
何の取り柄もないと思っていた少女が、周囲の人たちと接するうちに、自らの内にある才能と情熱に気付き、成り上がっていくというサクセスストーリーである。昔からよくある話型であり、たとえば水島新司の『ドカベン』などと、まさに同じ展開を持つものであろう。主人公が成長するにつれ、全国各地のライバルが次から次に現れては、激しい戦いを繰り広げる。基本的にこの繰り返しである。ラスボスは当然「現役かるたクイーン*1」である。
その「あがり」を目指して、物語は熱く展開する。百人一首や和歌の蘊蓄を交えながら、スポ根かと思えるほどのど根性物語は、読む者の心を鷲掴みにする(はず)。主人公と彼女を取り巻くチームの面々のキャラもそれぞれにきちんと立っていて、薄っぺらな感じがしない。屋内系部活にもいろいろあるけれど、華やかで絵になるし、競技かるたはいい素材だと思った。
そのうち実写化されますよ、きっと。無駄美人(天然、全力)と言われるヒロインには、ぜひももクロの百田さんをお願いします。似合うと思う。

*1:同い年であるところがミソ