DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る

morio01012012-02-07

ミリオン連発で年間のCDチャートの上位を独占し総売上枚数で新記録を樹立、ライブや催事を開けばチケットはたちまちプラチナ化する、派生ユニットもどんどん売れる、テレビやラジオで彼女たちの姿や声に接しない日はない、そして年末に業界最大の音楽賞を受賞するという、AKB48の2011年の活動をまとめた映画である。
映画の柱は震災の支援活動、西武ドーム公演、チーム4結成である。ただし「彼女たちの物語」の前提となる部分(たとえばメンバーの立場や関係性)の説明がないため、熱心にグループを追いかけている人以外には核心はほとんど伝わらない内容である。もっともこの映画をファン以外が見に行くとも思えないので、制作側はそれでよしとしているのだろう。
前年に公開された第1弾に比べると、重く暗い。それは制作側の視点の問題であり、2011年という年がそうであったからということではない。岩井俊二の関わった前作が「いかに少女を少女らしく捉えるか*1」という一点から作られていたのとは、まるで異なっている。今作はどこまでも華やかさの裏側にあるグループの事情を世に知らしめるというスタンスで作られたとおぼしい。ために映画ならではの祝祭的空気感に乏しく、「暴露ありき」のワイドショー的なノリになってしまった。これならテレビでよくない?
AKB48の映画ということであれば、断然第1作目*2を支持する。いささか抽象的な物言いになるけれど、優れて個を描こうとするものは、必然的に普遍にまで至りつくのである。横浜ブルク13で鑑賞。

第1作予告編

*1:名作「花とアリス」を彷彿とさせる

*2:DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?