代官山の新しい本屋さん
緑のセイレーンでおなじみのシアトル系コーヒーショップでアルバイトをする顧客に、代官山にすごく素敵な系列店ができたから行ってみてくださいと言われた。その時は「そのうちにね」とかなんとか言いながら聞いていたのだけれど、あとから調べてみると、TSUTAYAが肝いりでオープンさせた書店*1に併設された店であることを知った。ここ数日引き籠もりの生活をしていたし、風邪の具合もだいぶよくなったので、自転車を漕いで、代官山まででかけることにした。
代官山T-SITE http://tsite.jp/daikanyama/
外観からして私たちの知っている「TSUTAYA」とはまったく違う。3棟からなる「蔦谷書店」はいくつかの専門書店の集合体*2であった。もちろん神保町あたりでしか手に入れられない本当の専門書を置いているのではない。イメージとしては、ジュンク堂書店池袋店の該当する売り場を、ものすごくお洒落な空間にかっこよくレイアウトしたというところだろうか。とにかく本をよく知っている人によって選ばれたものだけが並べられている印象を受けた。空間を埋めるために、あるいは売れているから、などというつまらない理由で置かれたものはないように見える。門外漢の者(=私だ)が見ても、手に取ってみたくなる顔をしているのだ、本が。文具コーナーでも同じことを感じた。ここは万年筆の壁がとにかくすごい。
2階はレンタルショップとしてのTSUTAYAが本領を発揮するスペースである。そしてここでも品揃えに驚愕した。まず音楽は、クラシックとジャズが圧倒的なスペースを割り当てられており、「えっ、ここはタワレコじゃないよね?」というくらいの充実ぶりである。また「ない映画がない」を標榜する映像のフロアは、古い洋画邦画のラインナップがものすごいことになっていた。DVDになっていない過去の名作を店頭でディスクにしてくれるサービスまであるのだ。
顧客の教えてくれたコーヒーショップは案の定大人気で、残念ながら席が空いていなかった。ここで買った飲み物を持ち歩いて、店中(一部のラウンジは除く)の本を読んでかまわないのだと。なんと大胆な。書店の周囲の広大な敷地にはレストランや自転車店、写真店などもある。なんか、もうここに住みたい……。
*1:http://tsite.jp/daikanyama/about/
*2:「人文・文学」「アート・デザイン」「建築・インテリア」「旅行」「車」「料理」などである。