石庭と弥勒菩薩

morio01012012-03-29

明日は東京に行かなければならない。その間際になって、のんびりと羽を伸ばしきっている娘を連れて、所望されていた京都観光にでかける。有名かつ未見のところというリクエストに応え、龍安寺広隆寺を選んだ。すっかり春の陽気だし、散歩するにもほどよい距離である。
京都駅からバスに揺られること約40分、居眠りをしている間に龍安寺に到着する。これまではできるだけ混まない時期や日を選んで来ていたのだけれど、今日は観光シーズンど真ん中とあって、たいへんな混雑である。あと10日ほどして桜が咲きそろったら、もっとすごいことになるのだろう。
石庭も鈴なりの人、人、人……。落ち着いて何かを考えるとか、もう絶対無理である。観光客で人垣ができている。こんなに賑やかな石庭もまた石庭である。そういえば、今春のJR東海の「そうだ京都に行こう」キャンペーンの主人公が石庭だった。
 そうだ京都に行こう http://souda-kyoto.jp/campaign/index.html
だから、なのか? 多くの人が右へ左へ移動し、石の数を勘定しているのがなんだかおかしかった。石庭を模した文鎮を購入する。ほしかったの、これ。
緩やかに下る道を半時間ほど歩いて、広隆寺に到着する。ここでのお目当てはもちろん国宝第1号に指定された弥勒菩薩半跏思惟像である。今日も変わらず、いつもの愁いを帯びたアルカイックスマイルで迎えてくださった。霊宝殿には弥勒菩薩をはじめとして、国宝や重文の仏像類がおよそ30体ほど展示されている。娘と二人でぐるぐるぐるぐる館内を巡って愛でた。ここでは数えるほどしか観光客がおらず、ほぼ独占状態だった。贅沢です。
可愛らしい嵐電に乗って帰路につく。良き哉。