古めの邦画

王将 [DVD]某国営放送局の衛星から落ちてくる古い映画*1をまとめて観ている。山田洋次が、昨年度は家族編、今年度は喜劇編という括りで選んだ邦画ばかりである。かつて観たものも初めて観るものもおもしろくて喜ばしい。
絵が古めかしいとか、俳優の演技がなんとなく大袈裟だとか、セットがいかにも作り物とか、そういった瑕疵はまったくといっていいほど気にならず、余白の多い物語に想像力が刺激されて、喜劇も悲劇も心が躍り震える。女性俳優陣は言うに及ばず、男性たちにも何とも言えない艶っぽい色気があっていい。脚本も唐突に物語を断ち切って結末を迎える感じが多く、むやみに説明的にやらないところも好ましい。観る側を信じて作っていると感じる。近頃の評判の映画は、たいていファミレスの「全部盛りました的定食」のごとき親切さで、余韻や自由な解釈を楽しむ隙を与えてくれない。まぁ傾向として、ね。
昨年放映されたときには見逃した映画も、評判のよいのは再放送があるらしい。せっせとレコーダーのHDを整理しながら撮りためていこうと思う。

*1:リストはこちらに→ http://www.nhk.or.jp/yamada100/index.html