光琳の燕子花

morio01012012-05-09

根津美術館で開催中の「KORIN展」を観てきた。根津美術館蔵「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」が100年ぶりに同時に展示されるというものである。この美術館は規模こそ大きくないものの、どの企画展でも選び抜かれた逸品が展示されることが多く、まさに少数精鋭といったことばがピタリと来る。
会期が残すところ10日ほどとなっているためか、平日昼間にもかかわらず、館内は非常に賑わっていた。しかし、東京国立博物館などでの数時間待ちということはなく、自分の観たいものは少し待てば目の前でじっくりと鑑賞することができる。目玉の二つの燕子花の屏風もためつすがめつ観ることができた。もう穴が開くくらいたっぷりと。高度に意匠化された燕子花の群の奏でるリズムが心地よく、光琳の最高傑作とされる「紅梅白梅図屏風」(MOA美術館蔵)とは別種の感興を覚えた。眼福。光琳大好き絵師の酒井抱一の屏風もよかった。
根津美術館ご自慢の庭はちょうど燕子花が満開になっていた。どんよりとした曇空だけが残念だった。
 公式サイト http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html