さよならミニ

morio01012012-06-23

21年乗ってきたミニと今日お別れした。
英国生まれのとても品のある車だった。日本の工業製品の品質からすると、信じられないような故障や不具合もそれなりにあったけれど、愛着が増すことはあっても嫌になることはまったくなかった。できることなら一生乗り続けたいと思っていた。しかし、その願いを叶えるためには、これまで以上の手間暇と愛情と先立つものが必要になる。もはやここまで。
ミニを手に入れた当時は、まさか自分が今の職を得るなどとは考えられなかった。朝から夜まで、何かに追い立てられるような毎日だった。そこからちょっとしたきっかけで今に繋がる道に進み、なんとなく明るいような暗いような時代を過ごして、思いもよらず東京に行くことになる。その間、ずっとミニに乗り続けてきたのだった。やはりあれこれ思い出す。21年の付き合いの最後の日の朝、綺麗に洗車し、写真にその姿を収めた。
もはや街中で見かけるミニは、ドイツ製の立派な後継車ばかりである。きっと「作りかけのプラモデル」のようなものではないだろう。私の気持ちはそこには向かない。そして新しい相棒に選んだのは、長靴の国の大衆車である。ミニに負けず劣らずモヤモヤと悩ませてくれる車だと楽しみにしている。