カポーティ

カポーティ コレクターズ・エディション [DVD]トルーマン・カポーティの小説『冷血』のメタ言語的物語である*1。1959年のカンザス州一家惨殺事件をカポーティが取材し、やがてそれを一編の長編小説として仕立て上げるまでを描いている。映画は「冷血」の意味をずらすことで「誰が一番『冷血』なのか」という無言の問いかけを発する。あくまでも文筆家としての考え方や行動に焦点を当てているため、事件そのものや犯人についての情報は多くない。もとよりその点は責められるべきことではないものの、カポーティがなぜこの事件や犯人に強く惹かれたのかという動機や感情を説明する要素に乏しく、いささか説得力を欠いているのではないかという憾みが残った。主演のフィリップ・シーモア・ホフマンは本作でアカデミー主演男優賞を受賞する。生理的に苛立たせられる話し方や特徴的な動きなどとともに外見そのものがカポーティに酷似していて驚かされた。強い緊張感のある静謐な映画だった。ベネット・ミラー監督。
アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶 [DVD]町田に買い物に出たところ、見逃していた「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」のDVDを見つける。大阪の幸せな友人からは新婚旅行のお土産が送られてきた。お酒とか食べ物に交じってトワイライトエクスプレスのチョロQが入っていた。どうしろと!?

*1:『冷血』は1967年にリチャード・ブルックス監督によって映画化されたが、とても怖いらしいのでどうしようかと思案中……。怖いの嫌い。