「ヘタレ」という名の怪物

恋するフォーチュンクッキーType A(初回限定盤)すでに種々のメディアで報じられているとおり*1、過日、某巨大アイドルグループ内の序列を決める年に一度の「選抜総選挙」が開催され、2013年は指原莉乃さんが1位に選出された。思えば長い道のりだった。選抜にも入れない不遇の時代から応援している者(=私だ)にはたいへん感慨深い。
およそ正統派からはほど遠いアイドルである。テレビで活躍するのはバラエティ絡みのものだけで、歌番組ではほとんど後列にしか置いてもらえない。見た目は残念*2。スキャンダルにもまみれた。本店(秋葉原)所属でもない。ファン以外はほぼ全員アンチ。そんな指原さんが総勢250名になろうかという巨大グループのトップに立ったのである。下克上いや革命と言っても過言ではない。
しかし、この一年のグループを巡る状況を考えてみると、彼女ほどこのグループのありようを体現しているメンバーはいない。最も象徴的なのは、恋愛にまつわるルール破りの騒動と地域密着型アイドルのコンセプトを、よくも悪くも一手に一挙に引き受けて、すべてをエンターテインメントとして昇華させてしまったことであろう。その点で、どんなに汚れたキャラであっても、今のグループにおいては、彼女こそが最もセンター(中心)にふさわしい。個人の力量や魅力を超えた、グループの象徴(あるいは代表)として完璧に機能している。
失敗や凋落すら飲み込む強烈な「物語」と「歴史」を持つ指原さんは、すべてを見世物として提示できる劇場型アイドルである。順調に成長したヒーロー(ヒロイン)がいったんは挫折するものの、かろうじて生き延びた先で新たな力を蓄え、やがて中央社会でかつて以上の権力で復権を果たすという、まさにこの国の人々が大好きな貴種流離譚を地でいくアイドルと言えよう。
彼女のますますの活躍を願ってやまない。
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指原さんの1位獲得というありえない偉業を言祝いで、約1年ぶりにエントリーを立てた。せっかくなので、ついでにこの1年の私的ドルヲタ状況を記しておこうと思う。
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ももいろクローバーZの大躍進】何かとてつもなく凄くなった。ますますチケットが取れなくなった。体感では(難)ももクロ>AKB>Perfume(易)という印象である。ももクロちゃんを応援し始めたのは、指原さんを応援し始めた少し後の時期*3であるが、当時とは世間の認知度もファンの気質も相当変わった*4。どんな状態になっても、グループの終焉まで付き合うつもりである。
【地下アイドルの世界へ 1】昨夏あたりから、マスメディアにはほとんど出ず、主に小規模なライブ活動を積み上げている地下アイドルの世界に突入してしまった。しかし、そこは地下アイドルの深い闇、一筋縄ではいかない。まずたいそう楽曲のすばらしいTomato 'n Pine(トマパイ)*5がお気に入りになった。ところが、年末にあっさり解散してしまう。理由は「本人たちにまったくアイドルをする気がない!」という恐るべきものだった。なんなのだ、いったい。ほんとにもったいない。

【地下アイドルの世界へ 2】時を同じくして注目したのはBiS(新生アイドル研究会)*6である。このグループもすこぶる曲がすばらしく、通常のアイドルソングとは一線を画している。ライブも過激で、モッシュやリフト、ダイブ、クラウドサーフは当たり前で、あろうことか、メンバーまで観客の上を飛んでいる。しかし、仕掛けがどうにもやり過ぎなところがあり、PVで全裸で森を走ったり、元彼の写真を晒したりする、握手会ならぬハグ会当たり前、スクール水着でライブ*7をする*8、意味不明な100キロマラソンをして体を壊す、わざとメンバー間の対立を煽るなど、もうわけがわからない。ためにブラック企業並みにメンバーの出入りが激しく、曲をリリースする度に違うメンバー構成になっている。ついには、推しメンであったテラシマユフ*9がグループの方向性や人間関係のもつれからこの5月に脱退し、今はちょっと気持ちが離れてしまった。奇を衒うことばかりせず、歌やダンスなどのクオリティを上げることをしてくれたらよかったのに。どんな形であれ、テラシマさんの復活を待ちたい。


【地下アイドルの世界へ 3】そして今はBellring少女ハート*10に辿り着いている。全国のタワーレコードの11店舗のみでしかCDが扱われておらず、ネットでも手に入らない。深いドルヲタ界隈ではすっかり有名な存在だろうが、一般人にはおそらくまったく……。時々、なんでこんなところにまで来てしまったのだろうと思わなくもないのだが、もはや前に進むしかない。いや、自分の向いている方向が前だと信じるしかない。

【その他の人たち】能年玲奈がいい。生まれて初めて「毎日、朝ドラを見る」という習慣ができた。映画と舞台で活躍する二階堂ふみもお気に入りである。
とりとめもなく書きすぎた。また沈黙します。ご機嫌よう。

*1:テレビ生中継もあった

*2:私はそうは思わない、というか、むしろ見た目から入った

*3:2010年夏〜秋頃

*4:チケット取得困難な状況は、2011年秋のツアーあたりからだが、昨年の春の「猛烈宇宙交響曲第7楽章 無限の愛」リリースの頃からさらにファンが増えた印象がある

*5:トマパイ公式 http://www.tomapai.jp/index.html 音が出ます

*6:BiS公式 http://www.brandnewidolsociety.org/index.html

*7:スク水ライブダイジェスト http://www.youtube.com/watch?v=4AR0CqXP0qU

*8:ちなみに全員20歳以上

*9:本人のブログなどで情報が開示されているので書くけれど、都の西北の大学で学ぶ才媛であり、周囲からなぜこんなグループに所属しているのかわからないとまで言われていた

*10:Bellring少女ハート公式 http://crimpri.com