蛇にピアス

蛇にピアス [DVD]映画館で見損ねた作品をレンタルDVDで見る。
金原ひとみの原作の読後感*1と同じ気分になった。小説と映画の感想が同じというのもどうかと思うが、それ以上のことは言えそうにない。小説の場合は知らないことは知らないまま、想像すらできないけれど、実写はそのものずばりを見せるので、痛々しい映像が苦手な私にはたいへん辛かった。監督の蜷川幸雄は無難に小説の世界を再現したと言えようか。暴力や血の流れるようなシーンがやたら出てくるので、そういうものに耐性のない人にはお勧めできない。あと男も女もやたら服を脱ぎたがります。
主演の若い女優はどうしようもなく知能指数の低そうな十九歳を好演している。あれはあくまでも素ではなく演じているのだと信じたい。彫り師を演じたARATAの凄みも強烈な印象を残す。
  公式サイト http://hebi.gyao.jp/
映画つながりでもうひとつ。「ノン子36歳(家事手伝い)」の開始前に流れた予告編の中に「激情版エリートヤンキー三郎*2」というのがあった。このタイトルの「ヤンキー」の部分が、標準語では「モンキー」と同じアクセントになっているので、どうにも迫力が感じられない。それで「ヤンキー、ヤンキー」と連発するものだから、勝手に脳内変換されて「モンキー、モンキー」となり、文字通り「猿の軍団」みたいに思えてくる。やっぱりヤンキーは関西風の低低高でないと気分が出ないなぁなどと、暗闇の中でしみじみと感じ入ったのであった。