フラガール

morio01012006-09-23

二泊三日の予定で大阪に帰ってきて、わざわざどこででも見られる映画に行くこともないだろうと思いながら、ワーナーマイカルシネマズ茨木に足が向いてしまった。
フラガール」(李相日監督)を観る。時代に取り残されつつある炭坑の街を再生させるために、常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)を生み出した人々の奮闘を映画化したものである。物語の結構は「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」と同種のものであるが*1、石炭産業が斜陽化していく当時の世相や実際にあったであろう艱難辛苦を織り交ぜる点、先の2作品とは色合いを異にする。絵空事のファンタジーではなく、実話を元にした直球勝負のエンターテイメント映画であった*2。細かなエピソードについても語りすぎることなく余白を残したところがかえって好ましく思われた*3。あれをすべて決着の付く形で語りきってしまうと、感動の押しつけまたは説明をしすぎる陳腐なテレビドラマのようになってしまうだろう。涙腺が刺激されてたまらない気分になったが、そこはハワイ、湿っぽい雰囲気には決してならない。ダンスシーンは見応えあり。
フラガール」公式サイト http://www.hula-girl.jp/index2.html
予告編(要QuickTime) http://www.hula-girl.jp/3qt_s.html
映画終了後は自転車に乗って近場を散策する。高知に持っていったMTBはパンクしたままなので、ランドナーででかけた。茨木からあてどなく走り回り、新大阪のあたりまで行く。神崎川にかかるJR鉄橋の袂には関西大学ボート部の艇庫があって、今日も川面にはたくさんの艇が浮かんでいた。夕日に染まる選手たちをしばらく眺め、暗くなる前に帰宅した。

*1:大団円のクライマックスに向けて、努力、挫折、友情、葛藤などが描出される

*2:パンフレットの監督の言によれば、基本的な設定は事実を借りるが、細部は完全に創作したという

*3:物語として伝えるべき情報はきちんと描かれていた