暗いところで待ち合わせ

暗いところで待ち合わせ プレミアム・エディション [DVD]田中麗奈、お久しぶり。大陸方面の連ドラや台湾映画に出ているとかで、しばらく国内の活動は聞こえてこなかった。このままフェードアウトかと思っていたところ、この映画のことが伝えられた。あ、やっぱりここでも台湾の俳優と共演ですか。
一人暮らしをする盲目の女性ミチル(田中)の家に、殺人容疑をかけられたアキヒロ(チェン・ボーリン)が侵入する。そこから始まる奇妙な共同生活……、というのが主筋であるが、なによりもまず強い違和感を覚えたのはミチルの鈍感さである。そもそも自分以外の人物の気配とか音があそこまでわからないものなのだろうか。文字通り目と鼻の先に他人がいるのに気がつかないのである。つい往年のドリフターズのコントを思い出してしまった*1。これはほんの一例で、他にも見えないはずなのにいきなり正しい方向に歩き始めるとか、そうした鍵になる視覚障害者の扱いがぞんざいなものだから、全体を通してご都合主義が横溢する安っぽい2時間ドラマみたいにしか見えない。説明のための台詞とか絵が多すぎるのも興醒めである。
天願大介監督の「AIKI」も余白のない映画*2だったけれど、こっちもよく似た感じに映る。サスペンスで肝心なはずの結末は、映画半ばでほぼわかってしまいます……。そして田中麗奈。「がんばっていきまっしょい」の頃の輝きはいまいずこ。
公式サイト http://www.kuraitokorode.com/

*1:「あー、後ろ後ろ!」と会場のよい子たちが大騒ぎするやつ

*2:想像力がいらない