マイ・ブルーベリー・ナイツ
ジャズシンガーとしてのノラ・ジョーンズ好きとしては、微妙な心持ちで観ることになった作品である。
最も印象に残るのは映像の色調である。クロス・プロセスで作り出したかのような強い色とコントラストの絵は美しいと思うけれど、それを100分間続けて見せられるとあまりに濃密すぎて、ちょっとなんとかならんのかと、最後はげんなりした。この諄さはまさに映画の鍵になるブルーベリーパイのごとし。
シナリオは凡庸である。恋人と別れた町に残してきた別の優男のことを思いながら、東海岸から西海岸まで1年かけて旅をし、そして予定調和的に最初の町の優男のところに戻って来るというロードムービーである。意外性はまったくない。きっとそうなるだろうと思った通りになる。これなら全編ノラ・ジョーンズの曲を流しっぱなしにして、彼女のプロモーション・ヴィデオのようにしてしまった方が、いっそ潔くてよかったのではないか。ナタリー・ポートマンを見られたのだけはよかった。
公式サイト http://www.blueberry-movie.com/
高槻で懐かしさに浸る
大学時代の友人と高槻で飲む。隣町だけれど、めったに訪れることのない場所である。思いの外、栄えていて、吃驚した。青臭い日々を共有していた友人と話していると、過ぎ去りし時がにわかに戻ってくるような錯覚を覚える。そして寂しくなる。