最強

金子達仁『泣き虫』(幻冬舎文庫、2006年8月)を、高校野球のラジオ中継を聞きながら一気に読み切った。古くからの新日本プロレスファンには、高田延彦(&前田日明)の格闘人生は特別なものとして映る。「最強」と謳われた格闘家、プロレスラーの秘匿されていた部分があからさまに語られていて、たいへん興味深かった。惜しむらくは金子の筆がサッカーものほど冴えていないことか。時間をかけた取材をしてはいるようだが、どうしても体の奥底から湧き上がるような熱は感じられない。
私の部屋の床でだらける猫。自分の体温で床が生温かくなるとゴロゴロと場所を変えて惰眠を貪っている。

泣き虫 (幻冬舎文庫)

泣き虫 (幻冬舎文庫)