胡散臭いと思う

車を乗り換えたこともあり、その車種に関する書籍を何冊か手に入れて、ニヤニヤしながら眺めている。しかし、ろくに中身を確認せずに、ネットでまとめ買いしているので、中には酷いものも混じっている。たとえばこの本*1とか。 ハツカネズミ君に乗ってイタリ…

スープと骨董

風邪をひいてしまった。喉の痛みと鼻づまり、そして微熱。一昨日の夜から調子が悪かったので、水曜日は1日静かに過ごしたかったのだけれど、夜に避けられない会議があるため、それには出た。そして轟沈する。どうせ連休前半は大阪には戻れないし、いくつか…

近所を巡って「大阪人」

今週末は大阪に戻っている。近所の桜はまだなんとか花を残している状態で、毎年楽しみにしている場所へも散歩がてらでかけて見てきた。一仕事を終えたような清々しさがある。 昨秋にリニューアルしたばかりの「大阪人」がもう休刊(廃刊)すると知った。たま…

代官山の新しい本屋さん

緑のセイレーンでおなじみのシアトル系コーヒーショップでアルバイトをする顧客に、代官山にすごく素敵な系列店ができたから行ってみてくださいと言われた。その時は「そのうちにね」とかなんとか言いながら聞いていたのだけれど、あとから調べてみると、TSU…

可愛いよ、林檎

まだまだ咳が治まらないので、今日の会議もお休みさせてもらうことにした。今週末はじっと寓居で静養する。来週は年度末で契約の切れる顧客たちとの京都旅行があるし、大阪に戻れば、受験生が家にはいる。早く治さないとな。 ただ咳き込む以外の症状はなく、…

幸せな気分に浸る

目覚めると外は雪景色だった。屋根とか車の上だけだけど。それでも見慣れた景色がいつもと違うことに新鮮な気分をおぼえる。 さて、毎度おなじみエンドレス会議の金曜日だった。ひたすら耐える。 そして帰宅したら、お楽しみがドカドカと届けられていた。指…

激しいかるた

噂を漏れ聞いて、そのうちにと思っていた末次由紀の『ちはやふる』(講談社)を、年末年始の緩い時間にまとめて読み切った。競技かるたもマンガになるのだ。 何の取り柄もないと思っていた少女が、周囲の人たちと接するうちに、自らの内にある才能と情熱に気…

読書競演

今日の新幹線の友は川上未映子の『すべて真夜中の恋人たち*1』(講談社)にする。自分の気持ちや思いにぴたりと寄り添うようなところがたくさんあって、身のうちをゆっくりときほぐしてくれるような快さをおぼえる。新大阪から雪をいただく富士山を見るまで…

時空を越える旅

『旅と観光の年表』(河出書房新社)という即物的なタイトルを持つこの本がすこぶるおもしろい。帯には「日本人の旅の歴史をたどる」「近世から昭和まで、旅・観光と関連する事項をまとめた初の年表」との惹句が踊る。年表らしく単なる事実が時系列に沿って…

世田谷ライフ

世田谷専門のムックが定期的に刊行されるくらい、この街はネタが尽きないということなのだろう。自分の住んでいるところや知っているところが扱われると、つい買い込んでしまう。最新号は三軒茶屋と世田谷線沿線を特集している。さっそく手に入れて眺めてい…

木枯らしに吹かれながら

長らく部屋の置物と化していたポケロケに久しぶりに跨がる。来週末に自転車仲間としまなみ海道へ遠征するのに、夏から乗っていないのでは、どうなることやらと心配になったのだった。 走り出せば暑くなるだろうと思い、軽装で出撃する。コースは【世田谷→二…

ジョブズを悼む雑誌

退勤途中に松陰神社通り商店街*1にある小さな書店に立ち寄る。先日亡くなったスティーブ・ジョブズを悼む特集号が発売されていて、それを手にするためである。現在、Apple系のコンピュータ月刊誌は「Mac Fan*2」と「MacPeople」の二誌が刊行されている。その…

かわいい

「クールジャパン」などという妙な言葉がもてはやされるようになって久しい。 日本発、あるいは日本に深く関わる文化事象が対象となるようだけれど、とりわけマンガやアニメ、ゲーム、ファッション、アイドルなどのポップカルチャー(サブカルチャー)が中心…

島を想う

「たとえば、いま、あなたが都会を離れて島で暮らすとしたら。」と表紙に大きく書かれている「BRUTUS」の最新号に目を通すと、やはりこの雑誌は基本的に「ちょっと余裕*1のあるあなたのよりよい生活」を提示しようとしていることが窺い知れる。 都会と避暑地…

かき氷本2冊

無類のかき氷好きとして知られる蒼井優*1が、「Casa BRUTUS」で連載している「春夏秋冬かき氷」を一冊にまとめた*2。実際に蒼井が訪れた国内外の32軒の名店のかき氷を、美しい写真で楽しむことができる。いや、一番楽しめるのは蒼井優その人の御真影なんだけ…

大阪・信頼・信用

前号から新創刊となった「大阪人」の第二号を手にする。特集記事は大阪市内24区の紀行である。 大阪市内で生まれ育った者には文章から滲み出る「大阪の香気」に堪らない思いがする。体の奥底を突かれるような感触とでも言えばいいだろうか。この先、定年まで…

ユリイカでハルヒ

地味めなデザインの表紙が多い平積み書台の一画に、なぜか涼宮ハルヒや長門有希、朝比奈みくるらが元気よく踊っているのを見つける。あの「ユリイカ」が涼宮ハルヒを特集しているではないか。おそらく最新刊である『涼宮ハルヒの驚愕』(角川スニーカー文庫…

猫を撫でたくなる

桜の花の咲いている頃だったか、小説家の書いた猫の本を二冊続けて読んでいたのだった。町田康の『猫とあほんだら』(講談社)と保坂和志の『猫の散歩道』(中央公論新社)である。 町田も保坂も猫好きとして知られており、これまでにもあの憎らしくも可愛い…

本屋の行く末

ジュンク堂書店新宿店が入っている新宿三越アルコットが来年三月で営業を終了し、全館をビックカメラに賃貸すると報じられた*1。なんということだろう。 新宿のジュンク堂は池袋店や大阪茶屋町店と並んで、日本有数の売り場面積を誇る大書店である。一回的に…

エロのはずがゴスロリ

新幹線からは美しく冬化粧した雄大な富士山がよく見えた。空気の澄んでいる季節の楽しみである。 例の春画を特集する「芸術新潮」をパラパラと眺めた後*1、新装なった村上春樹の短編『ねむり』(新潮社)を読み、森本梢子の『デカワンコ』第1巻を楽しんだ。…

春画に漫画

「芸術新潮」の表紙を見て、ああ、そうだ、今月の特集は春画だったと思った瞬間、それをレジに運んでいた。別にこれである種の刺激をもらおうというのではなく、前月の同誌の予告で、秘匿すべきエロをポップカルチャーとして捉え返そうという目論見がおもし…

猫と世田谷とアラスカ

午前中にプレゼンのようなものをひとつこなして、午後からは自分の部屋で書類書きをしたり、明日以降のためのあれやこれやに取りかかったりする。MacBookAirで。今日は一日これで作業をしてみたのだけれど、ほとんどストレスになるようなことがない。やはり…

猫・猫・猫

荒木経惟の『チロ愛死』(河出書房新社)のあと、クラフトエヴィング商會の『猫*1』(中公文庫)と南木佳士の『トラや』(文春文庫)を続けて読んだ。すっかり猫づいている。 前者には著名な文化人の猫にまつわるエッセイが収められている。後者は鬱病に苦し…

回答と解答は別物

村上春樹がノーベル文学賞を取り逃した夜、彼の新作インタビュー集を読んでいる。 『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』(文藝春秋)には1997年から2009年までに国内外で村上の受けたインタビューがまとめられている。この時期に書かれた作品を時系列で…

ばななとはるき

避けがたくやりきらなければならない仕事のために、傘を差して仕事場に赴く。雨が冷たい。暗くなるまで人少なな場所で資料を読んだりコピーを取ったり赤ペンを走らせたりキーボードを叩いたり、そんなことをしていた。 帰りに松陰神社通り商店街にある書店で…

新しいおおきな木

シェル・シルヴァスタインの名作絵本といえば、『ぼくを探しに』と『おおきな木』であるのに異論の余地はないであろう。私も子どもが小さい時によく読み聞かせをしたものである。 このうちの『おおきな木』が村上春樹の新訳で登場した。長く親しまれてきたほ…

何年ぶりかのパソコン誌

かつては月に何冊もマック系月刊誌を買っていた。発売日前日にわざわざ日本橋にまで車を飛ばして行っていたほどである。 それらから得た知識は以降の仕事(や趣味)で大いに役立ったのは言うまでもない。しかし、新しいものを追いかけることをだんだんとしな…

きょうのかいもの

テクノポップ三人組の新曲が出た。今秋の東京ドーム公演に向けて「盛り上がる曲を!」と作詞作曲者にリクエストした結果できあがったのが中華風味のこの曲らしい。そしてそれ以上にカップリングの曲*1の出来がすばらしい。樫野さんの舌足らずなラップ、素敵…

見た、訊いた、買った、らしい

興味深いけれどちょっと鼻につく感じがしていた「芸術新潮」の連載が、一冊にまとめられた。清住白河で現代美術のギャラリーを経営する筆者が、古美術品を自腹で買うという企画である。 あまり高いものは買わないと言いながら、75万円の黒田辰秋の花器や80万…

島が呼んでいる、かも

梅雨も半ばを過ぎると、夏になったらどこに行こうかとうずうずし始めて、まったくもって尻が落ち着かない。 いくつか行きたいところはある。その中でも瀬戸内国際芸術祭が開催される岡山、香川の島々に心が惹かれている。このイベントにも関わる直島や犬島は…