初恋

甘ったるいタイトルと三億円強奪事件の結びつきに違和感や唐突感があって、それが逆に鑑賞前の期待感を高めもするのだけれど、惜しいことに映画を見終わっても「なんで三億円事件でないといけないのだろう」という思いが拭い去れないものだから、なんだか後味がすっきりしない(一文が長いよ)。事件関与への動機となる誰かに必要とされる喜びを宮崎あおいはよく表現していたし、当時の社会情勢や学生運動と絡めて公権力に楔を打ち込もうとする東大生(小出恵介*1)の行動もよくわかった。でもやっぱりなんで三億円事件なの、という思いだけが残るのである。大きなものを相手にしすぎたか。

*1:奥山真澄@のだめカンタービレのイメージが強すぎ……