やわらかい生活

寺島しのぶって映画ではやたらと脱いでいるような印象があって*1、それはこの映画でもそうで、今にも裸になりそうなんてことを考えているうちに、穏やかだけどチクチクする「三十路、男なし、金なし、仕事なし」の女性の物語に誘い込まれていた。「粋がない下町」である蒲田という街の気配や空気感に、こちらまで浸っているかのような心地よさがある。とはいえ、エンディングそのものは哀切である。ええかっこしいでない、ちょっとダメな中年のオッサンを演じる豊川悦司がいい味わいだった。廣木隆一監督。原作は絲山秋子の「イッツ・オンリー・トーク」(文藝春秋)。
公式サイト http://www.yawarakai-seikatsu.com/