蟲師

morio01012007-03-25

公開二日目。それなりの話題作のためか、日曜日ということもあって、道頓堀の映画館はそれなりの観客の入りだった*1。もっとも肝心の映画自体もそれなりで……。
原作漫画*2のエピソードを借りてはいるが、基本的に原作とは別物の脚本である*3蟲師ギンコ(オダギリジョー)の活躍や淡幽(蒼井優)の仕事ぶりを描く前半部はテンポよく物語に惹き込んでくれるのだが、後半のギンコの過去の秘密を解き明かすところは、急にもったいつけたような展開になり、多用される思わせぶりな映像のために流れが極端に悪くなる。超人的なヒーローやわかりやすい勧善懲悪を描くのではないにしろ、もう少しギンコ一人に焦点を絞って枝葉を刈り込んだ別の見せ方があったのではないか。スケール感のある美しい絵や囁くような環境音は幻想的な世界観をよく描出していただけに惜しまれる。久野真紀子*4クノ真季子になっていて驚いた。蒼井優、美しい。道頓堀東映パラス劇場で鑑賞。
見終えて脳裏をよぎったのは「CASSHARN*5」(紀里谷和明監督、伊勢谷友介麻生久美子)である。わかっていただけます?
公式サイト http://www.mushishi-movie.jp/

*1:なぜか六十歳を確実に越えていると思われる人が多かった

*2:漆原友紀

*3:大友克洋監督の手になる

*4:風間志織監督の「冬の河童」「火星のカノン」などで活躍

*5:世評は酷いが、嫌いではない