恋しくて

morio01012007-05-05

中江裕司監督の「ナビィの恋」(1999年)が好きである。西田尚美を贔屓にし始めたのはこの映画からだった*1。「恋しくて*2」はその「ナビィの恋」と「ホテル・ハイビスカス」(2003年)に続く沖縄映画第三弾である。中江監督が沖縄出身のバンドBEGINのエッセイから着想を得て書き上げた物語だという。タイトルもこのバンドのヒット曲からつけられている*3
音楽を志す高校生の成長譚として王道を行く作りである*4。青い恋愛、死、そして自分探し。青春映画としての道具立てに抜かりはない。ただし高校生活の3年間を文字通り駆け足で走り抜けるので、時間の展開の速さにややついていけない。画面がいつも真夏に見える*5のも時間の経過をわかりにくくさせる一因だろう。
ナビィの恋」では海の青が印象的だったが、「恋しくて」は石垣島の緑が目に焼き付いた。主人公カップルが自転車に二人乗りして草原(?)の中を疾走する場面は、草の緑と制服の白とリュックのピンク色が互いに映えて美しい。この場面に限らず、全体的に単に南国らしい派手な色遣いというより、明らかに計算された色彩の組み合わせがなされているとおぼしい。ヒロインを演じる山入端佳美は生きのいい魚みたいであった。中江映画に欠かせないオジイやオバアたちが元気に登場するのも嬉しい。登川誠仁の牛の声、最高である。テアトル梅田で鑑賞*6
帰宅してエキスポランドで大きな事故のあったことを知る。娘がちょうど万博公園フリーマーケットに遊びに行っていたのだが、たいへんな騒ぎになっていたらしい。ずさんな管理・点検の果ての事故で、起こるべくして起こったというべきか。まともな点検ができないほど、いつも混み合っていたということでもあるまいに。
roller coaster

*1:たぶんどうでもよい話

*2:公式サイト http://koishikute2007.jp/

*3:ファンではない私には響くものが何もないのだけれども

*4:王道ゆえ面白味に欠けるともいえなくもない

*5:沖縄!

*6:立ち見まで出て驚いた