上原ひろみ@大阪

MovingLunar Crush帰阪。大阪城公園に隣接するNHK大阪ホールには開演時間間際に到着した。ここに来るのは初めてである。大国営放送局謹製の立派なホールである。立派すぎ。
開演前からなんだか熱気が感じられる。浜松のほんわかムードとは明らかに違う。期待感はいや増すばかり。
浜松の時に比べて音が非常にクリアでバランスも良い。月曜日より10列ほど後方であるのにも関わらず、ずっと演奏者が近くにいるように感じられた。そして演奏自体の熱の入り方も尋常ではない。激しいけれど丁寧で、それぞれのインプロヴィゼーションもまったく退屈することがない。目がステージに釘付けで体が自然に動いていた。第2部後半はもう大爆発といってよい状態で、総立ちの会場は音楽に合わせて波打つように大きく揺れていた。
アンコールに登場した上原はしきりにタオルで目尻を拭っている。鳴り止まない拍手に言葉も失っている。ニコニコ笑っているのは何度も見たけれど、こんなのは初めてである。そこまで感極まるほどの入魂の演奏であった。
帰りがけ、ロビーで販売されていたDavid Fiuczynskiの「Lunar Crush」とTony Greyの「Moving」をものす。明後日の東京でのツアーファイナルはどんな演奏になるのだろうか。そして帰りの電車の中で晩ご飯を食べ損ねたことを思い出して腹を鳴らすのであった。