インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

morio01012008-07-01

正確な邦題はなんだったかなと思ってパンフレットを確認したら、どこにも載っていない。書いてあるのは、原題の「Kingdom of The Crystal Skull」ばかりである。いいかげん探すのに疲れてきた頃、後ろの方の物販ページにようやく小さな文字で記されたそれを発見する。直訳だった。なんだか。
前作から20歳老けてしまった還暦の冒険者インディ・ジョーンズナチスなき戦後の憎むべき敵はもはやソ連しかあり得ないとばかりに、スターリン体制下の冷血漢軍団相手に大立ち回りを演じる。ひさしぶりに超悪役ソ連*1を見せつけられた。しみじみと「ロッキー4」を思い出す。シリーズ旧作へのオマージュが全編に散りばめられており、あちこちのシーンでニヤニヤできる。もちろん知らなくても、ストーリーを辿るのに困ることはない。主人公はどんなにピンチになったって、絶対にやられることはないのだから、安心して物語の語るところに運ばれていたらよい。あいかわらず虫や爬虫類のシーンはえぐくて、尻がもぞもぞする。
新作の騒動のキーワードは「ロズウェル」「ナスカ」「アケトー(エルドラド)」である。とくれば、行き着くところは「未知との遭遇」「E.T」となってしまうわけであるが、これを説明すると完全にネタバレになってしまうので控えることにする。ハリウッド式アクションシーンと高度なCGが見事に融合した映像は、もはや犯すべからざる古典芸能の域にまで達していると感じられた。当時の世相を映す小ネタ*2の数々はやや饒舌すぎるか。
旧作で放置されていた人間関係もきちんと解決が図られ、大団円で幕を閉じる*3。シリーズの掉尾を飾るものとして、そして夏の娯楽作として、それなりによくできていると思った。お祭りだからかたいことは言わない。ワーナーマイカルシネマズ茨木で鑑賞。
公式サイト http://www.indianajones.jp/top.html

*1:ケイト・ブランシェット、いいぞ!

*2:ネバダ核実験、アイゼンハワー、反共学生運動プレスリーなど

*3:途中には出鱈目なところも多々あるけれど