グミ・チョコレート・パイン

グミ・チョコレート・パイン通常版 [DVD]大槻ケンヂの半自伝的小説をケラリーノ・サンドロヴィッチ*1が映画化した。
楽器ができないのにバンドを組んで無闇に高揚する高校生の物語である。あの年頃特有の生きることに対する計算のなさがストレートに伝わってきて、たいへん爽快であった。またこのウマシカ4人組の憧れの的であるノイズバンド「自分BOX」のメンバーを演じる山西惇と犬山イヌコの切れっぷりもいい塩梅だった。
青臭い時代から遥か彼方に来てしまった三十路男がかつての自分たちを振り返るという趣向は、さして珍しいものではないけれど、小ネタ的に「おお」「ほお」「ふう」と唸らされるところが多々あって、じんわりとほくそ笑みながら楽しむことができた。ヒロインとのぎこちない恋愛模様も切なくてよい。
「おかげ」と「せい」の使い方には注意!*2
公式サイト http://gumichoco.com/

*1:監督・脚本

*2:「あなたのせいで」と言われるのと、「あなたのおかげで」と言われるのでは、天と地ほどの差がある