落語を聴く会

morio01012009-12-12

芸能方面に造詣の深い知人に誘ってもらい、落語を聴きに行ってきた。東京では初めてである*1

第7回 東京で千朝落語を聴く会@お江戸日本橋亭*2

  • 「みかん屋」    桂さん都
  • 「どうらんの幸助」 桂千朝
  • 初天神」     桂雀喜
  • 「除夜の雪」    桂千朝

上方で活躍をする噺家3人に近しい感情を持ちながら、4つの噺を楽しんだ。落語に登場する人物は「憎みきれないろくでなし」が多い。しんみり聴かせる「除夜の雪」以外の三つの噺は、いずれもそういう輩が主人公である。中でも「どうらんの幸助」がおかしかった。本人だけが自らの愚行に気付かず暴走し、まわりが困り果てる……、ああ、何か日常的に職場あたりで見ているような光景? もっともこの仲裁好きのおっさんほどのかわいげがあれば、許せもするのであるが。
閑話休題
千朝の語り口は穏やかな品があり、強い調子で大阪弁を捲し立てるというものではない。どうもメディアに露出する吉本勢の印象が強く、大阪弁と言えばそのように思われがちであるが、本来はもっとゆったりとした艶のあるものである。千朝のそういう心地よさが好ましくて、すっかりよい気分にさせられた。「聴く会」終了後は、千朝を囲んでの打ち上げ会にも図々しくも出させてもらった。そこでも愉快な話をたくさん。野球の話題で大いに盛り上がりました。

おまけ:飲み屋で話題に出た土佐日記の一節。いったい誰に向けてのものなのか、よくわからないけれど、備忘録として記す。
九日、心もとなさに、明けぬから、舟を曳きつつ上れども、河の水なければ、ゐざりにのみゐざる。この間に、和田の泊のあかれの所といふ所あり。米魚など乞へば、行ひつ。かくて舟曳き上るに、渚の院と言ふ所を見つつ行く。(土佐日記

*1:もっとも大阪でも数えるほどだけど

*2:http://www1.odn.ne.jp/~engeijou/nihonbashi.html