キューポラのある街

キューポラのある街 [DVD]吉永小百合って1945年3月生まれだったのね。初めて知りました。先日見た「名刀美女丸」公開の翌月のこと。そうか、そういう御年なのか。
急激な経済成長前夜の、まだ明るい未来を思い描けない時代の閉塞感が世を支配する。明日を信じて、あるものは進学を志し、あるものは新興産業に身を投じ、あるものは異国へと渡る。鋳物職人を父に持つ中学生(@吉永)が、思うにまかせない日々の出来事やさまざまな価値観を乗り越え、やがて自らの生きる道を見つけ出す。そういうお話。
wikipediaによれば、この作品から「サユリスト」なる人種が発生したらしい。ふむ。役柄とはいえ、端正な顔をして汚い言葉を吐くのがどうにも。「キューポラ」という響きで「白樺」みたいな自然を想起していた虚け者には、吉永小百合の美貌も無力である。どこまでも朗らかに見えるヒロインの放つオーラを認めながらも、彼女を含む子役たちのこましゃくれた演技に嫌な感じを受けた。そう、子ども店長とかポニョとか……(自粛)。
1962年、浦山桐郎監督の作品。今村昌平と浦山の共作となる脚本は、たぶん悪くない。