手練れの人たち

morio01012010-06-30

中平卓馬の『来たるべき言葉のために*1』(OSIRIS)を手にとって眺めていると、アレ・ブレ・ボケが森山大道の専売特許でないことがよくわかる。写真史において極めて重要な意味を持つ書が復刊されたことを喜びたい。近年、北海道の写真集を続けて刊行する森山が、新たに『NORTHERN2』(図書新聞)を発表した。これもまた若い頃に撮り溜めていたものである。「北方写真師たちへの追想」という副題を持つ。日本の写真界を開拓していったフロンティアへのオマージュをこめる。さらに石内都が80年代初頭に撮影した横須賀を中心とする東京湾岸の風景を収める『tokyo bay blues』(蒼穹社)も。2001年に世を去った西井一夫との縁で始まった雑誌連載がもとになる。淡々とした風景が凄みを帯びて迫ってくる。
徹底的な自分勝手は自己満足とは次元が違う。