アップルシード

APPLESEED [DVD]エクスマキナ -APPLESEED SAGA- スタンダード・エディション [DVD]攻殻機動隊」で知られる士郎正宗原作の「アップルシード」(2004)とその続編である「エクスマキナ」(2007)を続けて観た。いずれもwowowのジャパン・クールアニメ特集にて。
先日見直した「イノセンス」に比べると、かなりアクション寄りになっている。説明的かつ難解な台詞が少ないので、頭の芯が熱くなることがない。ここでも人間とバイオロイド、サイボーグの三種類の「ヒト」の存在や共存を、思想、倫理と関わらせて論じることもできただろうが、一部の人物による異種への排他的感情が行動として顕現化するだけに留まる。この作品ではまず何ごとも行動ありきなのだ。
むしろここでは、ユートピアを標榜する国家が世界を監視下に置き安全を保障するという、まさに現在の米国のエゴイスティックなありようを模したとしか思えない描き方、さらに三種類の「ヒト」の共存と対立が多民族国家の不安定さを想起させているなど、今の世界の状況を形象化する喩としているのかと思われる設定や展開が興味深かった。
映像では3DCGやモーションキャプチャーなどが当時としては目新しかったらしい。ただ先に「ファイナルファンタジーVII アドベンド・チルドレン」を観てしまっているため、その面での驚きはあまりなかった。音楽はHASYMOrei harakamim-floテイ・トウワコーネリアスらが参加しており聴きごたえがある。