カメラ・オブスクラを作った

morio01012010-10-15

戯れにカメラ・オブスクラを作ってみた。
この装置は小さな穴を通して差し込む光が、暗い箱の背面に外景の倒立像を映し出すものである。今のカメラの原型とされる。早く欧州の画家達がこれをスケッチのために活用しており、たとえばかのフェルメールなどもこの装置を使って作品を制作していたと言われている。
今回のものは、菓子箱に小さな針穴を開け、反対側にスクリーン代わりのトレーシングペーパーを貼り付けるというシンプルな工作を施しただけなのだけれど、淡い光に包まれた向こう側の風景が朧に立ち現れてくる様は、なかなかの見物である。
カメラ・オブスクラとは、もともとはラテン語で「暗い部屋」を意味することばである。「暗い部屋」が小さな針穴から呼び込んだ光によって広大な世界を己の内に閉じ込める、その魔術的な営為に激しくときめく。

わたくしといふ現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに せはしくせはしく明滅しながら いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)

そして宮沢賢治の「春と修羅」などを思い出したりして。