縞模様のパジャマの少年

縞模様のパジャマの少年 [DVD]流れゆくエンドロールを呆然と見守る。そして、この映画のタイトルは、向こう側の少年のことを表しながら、一方でこちら側の少年のことを強く示唆するものでもあったのかと思う。
ナチスの高官の息子とユダヤ人捕虜の少年の友情を描く。この設定からして過酷なことしか起こりえない。物語は重苦しい気配と気分を引きずったまま「衝撃のラスト*1」シーンに傾れ込む。刺激に弱い私にはあんまりな最後だった。体が固まってしまって動けなくなった。いやはや。夜中に一人で観るんじゃなかった……。
散見するご都合主義的な作り方はともかく、この映画の伝えようとする悲劇性だけは確実に観るものに伝わるだろう。惜しむらくは、こちら側の少年の思いに較べて、あちら側の少年の胸の内(あるいはそれがうかがえるような行動)がやや描写不足だったことか。
  公式サイト http://www.movies.co.jp/pyjamas/

*1:この映画の惹句