アバター

アバター ブルーレイ版エクステンデッド・エディション(本編3種収録)(初回生産限定3枚組) [Blu-ray]今さらですよね、ええ、わかってます、しかも3Dじゃないし。さらには日本語吹替版だし。
普通のSFファンタジーとして見た場合、どこに新しさがあるのか。おそらく山のような指摘があるだろうから、いまさらいちいち調べたりはしないけれど、勝手な利益を得ようとする侵略者と酷い迫害を受ける先住民の凄惨な戦いという構図は、極めて陳腐なものである*1。結末まで容易に予想できる安心感の上に、驚異的な立体映像を載せて商品にしてみました、というところではないか、とわかったようなことを言ってみる。
それよりも今回吹き替え版で一番気になったというか、おもしろかったのは、日本語学でいうところの「役割語*2」がこれでもかというくらい徹底的に使われていることだった。とりわけパンドラ星の人々が地球人のジェイクと話をする時のたどたどしい物言いは、戯画化されすぎじゃないかと思うくらい典型的な「日本語がまだうまく使えない外国人の話し方*3」になっている。他にも男性、女性、野性的でマッチョな人、粗暴な軍人、気弱なホワイトカラーなど、そういった様々な属性が一挙に了解できるようなわかりやすさがあった。そのあまりにもあんまりなステレオタイプに気を取られてしまって、話している内容がほとんど頭に入らなくなる。なにをしているのやら。
3Dで見ると、また違った印象があるのかもしれないけれど、おそらくその機会はないだろう。立体感はいつか別の映画で楽しむことにする。
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*1:世界各地で繰り返された歴史的事実を矮小化するものではない、念のため

*2:wikipediaの役割語の説明

*3:私、闘う。お前、騙した。みたいなの