SPACE BATTLESHIP ヤマト

酷いものを見てしまった。なまじ聖典化した原作やオリジナルアニメ放映時の狂乱を知っているために、よけいつらい印象になっていることは否定しない。
原作から逸脱するのはかまわない。映画とは別のものであるから。しかし、それを差し引いても、薄っぺらすぎる物語にはとうてい我慢できるものではない。対立するガミラスの存在感が皆無なので、地球人たちが一人はしゃぎ回っているようにしか見えない。さしたる戦闘シーンがないまま、あっという間にイスカンダルに到着、そして自己犠牲の果ての決死隊の美化。なんなのだろうね。空疎な物語を飾り立てる派手なわりには安物臭いCGにやりきれない哀れさを感じた。この監督*1にはがっかりさせられてばかりである。デスラーもスターシアも幽霊ですか?
キャストは無駄に豪華で、しかも脚本がお粗末なので、新春スター隠し芸大会のコスプレ余興みたいなことになっている。そういう映画だった。唯一、主役のヤマトだけはかっこよかった。

*1:「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎某。これも酷い代物だった。