富士山が見えた

morio01012006-11-13

朝、始業前にコピー機のある上階の部屋に向かっていると、窓から雪を頂く大きな山が見えた。まさかと思ったが、紛れもなく富士山である。富士山が東京から見えるという話は聞いたり読んだりして知ってはいたが、自分の目で見るのはこれが初めてである。あまりの威容にしばらく目を奪われたままになった*1
都市学の定番本、名著として名高い『東京の空間人類学』(ちくま学芸文庫)において、陣内秀信は江戸では富士山がランドマークとなり、かの山がよく見えるように巧みに町並みが設計されていたことを指摘した。江戸(東京)は江戸城を中心とする求心的な都市ではなく、富士山に向かって開かれ発展した偏向性を持つというのである。この慧眼の士の卓見を身をもって感じることができた。
ああ、富士山、素敵 :-)
この感動を顧客に伝えたところ、「ふ〜ん」という鈍い反応であった。富士山にほとんど接する機会のない関西人にとってはすごいことなのだと力無く訴えるのみ……。君たちはもっとありがたみを知れ!

*1:じっと見過ぎて一つめの出番に遅れそうになった(笑)