惜しまれる人

morio01012006-12-21

昨日は訃報があいついでいたが*1、最近亡くなった人で「ああ、そんな……」と思ったのは、スイス出身の元F1レーサー、クレイ・レガツォーニである。12月15日にイタリアで事故を起こし、67歳で亡くなったと報じられていた*2。初めてF1に興味を持った頃、彼はフェラーリ*3のドライバーとして活躍しており、エースにはなれないものの、帝王ニキ・ラウダのチームメイトとして、文字通りいぶし銀の走りを披露していた。フェラーリ黄金期を築き上げた312T/312T2を駆る二人の姿は、とりわけ輝きを放っていたのである。まだ日本ではF1情報の極めて少ない時代のことであった。
後に幾つかのチームを渡り歩き、最後に所属したウィリアムズ・チームでもF1史に残る偉業を達成した。彼は1979年のイギリス・グランプリにおいて、新興チームのマシンを初優勝に導いたのだ。奇跡的にこのレースは日本でもテレビ中継され(ありえない幸運だと思った)、今も強く印象に残っている。後年、レース中のマシントラブルによる事故のために下半身に障害を負い、車椅子の生活を余儀なくされたが、運転することへの情熱は衰えることなかったと伝えられる。最後も車を運転中だったとは、それもこれもすべて「宿世」というもののなせる業だろうか。
現代のF1にはこんな汗くさいオッサンドライバーはもう出てこないのだろうな。つまらないことである。