初蒲田

morio01012007-03-21

1982年に公開された「蒲田行進曲」(深作欣二)は大阪人の私にとってまったくの異世界の物語であって、したがって舞台である蒲田という街そのものにはほとんど関心が向くことはなかった。それが「やわらかい生活」(廣木隆一)を観てからというもの、にわかに興味深く思い出したのは、少しは東京という場所に馴染み始めたということだろうか。松坂慶子より寺島しのぶがいいということではないと思う。風間杜夫豊川悦司は……、ま、どうでもいいや、男だし。
で、行ってきましたよ、初蒲田。
イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)やわらかい生活 スペシャル・エディション [DVD]
映画で「粋のない下町」と語られる蒲田は、大阪でいえば京橋や千林のような印象を受けた。もしくはエロ抜きの十三。いずれにしても渋谷や六本木あたりで感じるような居心地の悪さはない。「街はどこか懐かしく、夢で歩いたことがあるかのようにしっくりきた」と思った橘優子@「イッツ・オンリー・トーク」(絲山秋子)の気持ちがよくわかる。カメラ片手にむやみにそのあたりを歩き回った後、京急ビルの屋上にある遊園地のうら寂れた風情も堪能した。観覧車に乗りたかったけれど、中年のオッサンが一人で乗るとかなり怪しいことになりそうなので我慢した。次は針穴カメラを携えてやってこよう。
さて今日の本題。蒲田には新書の装丁をネタに飲もうということでやってきた。「歓迎」という中華料理店で大いに飲み食いし、多方面に展開するおもしろい話をたくさん聞かせてもらった。混ぜてくださったお二人*1に感謝。
品川駅で見送ってもらい、最終ののぞみで大阪に帰ってきた。