映画の日に成海璃子祭

morio01012007-05-01

連休谷間の平日で休みの人も多いかと思っていたのに、朝の小田急はやっぱり混み合っていた。ここを休める人ははなから通勤電車には乗らないのかなどと僻み根性をひそかに燃え上がらせる。嫌な自分に乾杯。
仕事を終え、渋谷に出る。せっかくの映画の日である。天気が思わしくないという予報が出ていたので、新百合ヶ丘に戻って「ゲゲゲの鬼太郎」と「バベル」を続けて見ようかとも思ったけれど、噂の成海嬢が主演する2作「神童」@シネマライズと「あしたの私の作り方」@渋谷アミューズCQN*1を見ることにした。ついでにソフーロフの「ロストロポーヴィチ 人生の祭典」@シアター・イメージフォーラムもと目論むが、これは時間が合わなかった。
■神童 http://www.shindo-movie.jp/
天才的な才能を持つ少女ピアニストうた(成海璃子)と凡庸な音大生和音(松山ケンイチ)の交歓や苦悩を描く。全編を彩るクラシック音楽が心地よく、クライマックスの演奏会で流れるモーツァルトのピアノ協奏曲20番は圧巻だった*2。また音楽以外の環境音も印象的かつ効果的に使われていた。うたを見つめる二人の少年(和音・池山)の視点が、そのままうたという少女の天才と日常を浮き彫りにする。若い成海*3をアイドル的に扱わない演出が好ましいと思った。
成海璃子インタビュー http://cinematoday.jp/page/A0001363
■あしたの私の作り方 http://watatsuku.goo.ne.jp/index_f.html
学校や家庭で自分自身をさらけ出すことができず、その場その場にふさわしい「私」を演じる中高生の物語。いじめを扱うので、全体的に風通しの悪い展開が続き、息が詰まるような思いがした。「神童」が爽快だっただけに余計そう感じたのかも。画面の使い方が独特で漫画のコマ割りのような小さな枠が頻繁に出たり消えたりする。私にはちょっとうるさく感じられた。またNTTがスポンサーについているためか、携帯が活躍しすぎで、そこにも萎えた*4。若く綺麗な少女がたくさん出る、そういう映画に見えてしまう。
15歳の成海璃子は年内にもう一本主演作が公開されるらしい。忘れずに見たいと思う。

*1:シネ・アミューズと勘違いして大慌てする。全然場所が違うのだもの。雨の中、走る……。

*2:演奏は成海自身。腕前はともかく臨場感や高揚感は抜群である

*3:うまいし堂々としている

*4:まるでNTTドコモのCM