つまらない本の場合

気になるものはとりあえず買ってしまえ*1とばかりに無節操に手を出していると、一つまた一つと山になっていく本。腹回りに溜まる脂肪のごとく、減ることはなく増える一方である。目の前の本は逃げることがないので*2、にこにこしながら気の向くままにちょぼちょぼと山を崩していく。
もっとも読んで面白い本ばかりではなく、たまにどうしようもないなぁと思わされるものも混じっている。しかし、一度手をつけた本はどうにも途中でやめられない。時間が無駄になるからとっとと投げ捨てればいいのに、なぜだかそれができないのである。まさに貧乏性。昨夜は井上史雄の『言語楽さんぽ』(明治書院)を読み始めたのだが、これがなんとも。俺様体験の自慢とちょっとずれたセンスの独りよがりなジョークが連発で、癇に障ることこのうえない。社会言語学者としての業績はすばらしいのに、このエッセイのつまらなさはなんなのだろう。そういえば国語学者大野晋の自叙伝『日本語と私 (新潮文庫)』(新潮社)も酷かったなぁ。
でも結局こういう本も最後まで読んでしまうのだ。文句を言うために*3

*1:もちろん買える範囲で

*2:買うのを躊躇うと二度と巡り会えないというマーフィーの法則がある

*3:意地悪!