邪悪な読者

斎藤美奈子の『趣味は読書。 (ちくま文庫)』(ちくま文庫)を土砂崩れ必至の山の中から掘り出して読んだ。買ってから3か月も放置していた。先般の男性誌を評したのと同じ調子で、こちらはベストセラーを斬りまくる。少し前に大ヒットした本*1が次から次へと俎上に載せられるわけであるが、この本の最もいいたいことに簡して、次のくだりは簡にして要を得ている。

「この本に元気をもらいました」「これからも自分を大切にして生きていこうと思います」。何を読んでも同じ感想をもてるようになったら、あなたも一人前の善良な読者である。そして「てやんでえ。こんなゆるい本」と毒づく邪悪な読者は、永遠に敗北し続けるのである。

えーっと、この本に元気をもらいました。(^^;
西の牛肉、東の豚肉―家計簿から見た日本の消費さて邪悪善良な読者のもとにbk1から本が届いた。J・D・プライス『若冲になったアメリカ人 ジョー・D・プライス物語』(小学館)、田山花袋温泉めぐり (岩波文庫)』(岩波文庫)、野口富士男『私のなかの東京―わが文学散策 (岩波現代文庫)』(岩波現代文庫)、金子優子『西の牛肉、東の豚肉―家計簿から見た日本の消費』(日本評論社)、『はじめての文学 小川洋子』(文藝春秋)、『現代語から古語を引く辞典』(三省堂)、伊坂幸太郎グラスホッパー (角川文庫)』(角川文庫)、伊坂幸太郎チルドレン (講談社文庫)』(講談社文庫)。伊坂の2冊は直木賞候補にもなったもので、一応ベストセラーに近いといえよう。やった(何が?)。肉の本、これはもうはずせないでしょう。タイトルだけで買ったのだった。

*1:いかに自分がベストセラーに縁遠いのかを改めて確認できた。なんたって、ここで取り上げられている49冊のうち6冊しか読んでいないのだもの。