とべ動物園でうっとり

morio01012007-08-21

人が少ないのであった。
どこもかしこも貸し切りまたは独り占めのような状態なのである。世間は盆休み直後であり、当然といえば当然なのだが、それにしても申し訳ないくらい空いていた。
まずは六甲アイランドから乗船したフェリー。定員12名のグリーン寝台の部屋にわずか3人である。すぐ裏で蝉*1が鳴きまくる町田の寓居よりよほど静かで熟睡できた。日付が変わってすぐに寝たのなんていつ以来だろう?
到着した松山観光港からまっすぐ向かったとべ動物園*2も同様である。少し小高い場所にある同園に着くと、駐車場に車が数えるほどしか停まっていない。旭山と上野は別格として、かなり創意工夫*3をしているとべがこれではと、動物園ファンとしては少し残念な気がする。それにここには全国区のアイドルシロクマ、ピースもいるのだ。とはいえ、この状況は鑑賞者としてはありがたい限りである。なにしろ行く先々で動物独り占めなのだから。それはピースとて例外ではなかった。
http://video.google.com/videoplay?docid=9141072417876450312&hl=en
巨大な白い塊。あまり動かないピースに他の人は飽きるのも早いようで、ずっとかぶりつきで見続ける私は、きっと「変なおじさん」に見えたに違いない。ピースは仲間とは別に一頭だけ違う場所で飼育されている。毛並みは真っ白でまさに巨大なぬいぐるみを彷彿させる愛らしさである。逆にその汚れのない白が彼女の病*4を思い起こさせて少し切ない。もっとも過保護ゆえかかなり肥満気味である。メタボ間違いなし。他の動物(除くキリン・ゾウ・サル)はそこそこに2時間ばかり*5で退園する。お昼頃には少しは来園者も増えたようである。
松山市街に戻り、ことりで昼食をとる。10年前の映画*6のポスターがまだ貼ってあって嬉しくなる。真夏に鍋焼きうどんはどうかと思いもするが、「がんばっていきまっしょい」ファンとしてははずせない。地元の人たちがいつものように食事している風情がよい。大きくなったお腹*7を抱えて、今治まで一路北上する。海沿いの今治街道は道幅がやや狭いことを除けば、総じて快適に走ることができる。なにより左手には穏やかな瀬戸の海が広がり、たいそう気分がよい。ところが、両の脹ら脛が時折攣りそうな感じになる。さほど距離は走っていないのに、「熱」のダメージがこんなところに出たのかもしれない*8
旧大西町で鴨池海岸に立ち寄る。5年前に訪れた時から大幅に改修されていて、往時の面影はない。立派なシャワー施設なども備えられていて、海水浴場として再生されているけれど、私が到着した4時頃には二人*9しか泳いでいなかった。海の家や売店はもちろんない。きっと地元の人のための知る人ぞ知る場所なのだろう。ここで針穴写真を撮って、しばししみじみとした思いに浸る。誰もいないから存分に浸る。
宿まで30分ほど走って、本日は終了。約75km。右上の写真は、とべ動物園オリジナルのピース人形と、ペットボトル飲料のおまけのイワン@旭山動物園のマグネット。
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*1:ヒグラシ、ミンミンゼミ、ツクツクホウシなど

*2:http://www.tobezoo.com/

*3:旭山動物園の成功で一躍知られるようになった行動展示をする。低予算で作られたとおぼしき猿山は、サルの行動を見せる施設としてはとてもよくできていた。また各動物に付された手書きポップも、飼育員らの愛情が伝わってきて好ましい。莫大な予算が必要なランドスケープ・イマージョンではなく、エンリッチメントを活かした行動展示は多くの動物園(概して低予算)において主流となるべき手法であろう。

*4:癲癇

*5:あまりにも暑くて炎天下で長時間いられない

*6:がんばっていきまっしょい

*7:鍋焼きうどんにいなり寿司2個を食べた

*8:飲み干したペットボトル飲料は3リットルを下らない。それ以外に食事時などに店で驚くほどの水を飲んだ

*9:自転車で来ていた高校生