瀬戸内海針穴三昧

morio01012007-08-22

予定のない一日である。宿泊地に荷物を置いたまま、軽装で気儘に走り回る。
まずは来島海峡大橋の半ばからエレベーターで下りることのできる馬島へ行く。前回はすっ飛ばしてしまったところだ。ここは人口が約40人の小さな島でことさら観光資源があるわけでもない。しかし、無人の海岸を独り占めするにはもってこいのところなのだ。さっそく針穴三昧で楽しんだ。夕刻に撮りたいポイントも見つけておく。
世界初の三連吊り橋である来島海峡大橋が真っ青な青空に映えてとても美しい。そこをてろてろと渡り、大島へ。大島には通常のサイクリングコースである島中央部の317号線と、西部の海岸線沿いのルート、南部の山越えのルートの三本の選択肢がある。前回は西部を走ったので山越えでもするかと思い、そちらを目指す。ところが、行こうと思う道が見つけられないのだ。もしかしてしんどい道が嫌なので、勝手に見えないふりをしていたのかも。見えない道には行けないので、気持ちのよい西側へさっさと移動する。辛いの嫌い。
それにしてもこの日は体が重かった。ほとんど平坦な道を走っているのに、ちっとも自転車が前に進まない。目論見では大三島のふるさと憩の家*1まで見学に行こうと思っていたのに、一つ手前の伯方島でもう足が動かなくなった。少し頭痛もしてきたので、大事をとってやめにする。気分がよくなるまで伯方SCパークの食堂で高校野球の決勝戦を見ながら、塩シャーベットや塩ラーメンなどを食す。塩ラーメンもほんとうは島東部のさんわへ行きたかったのだけれど、それも気力がなかった。往復で10キロもないのに。昼時をかなり外した時間帯ゆえ、ここでも客は私一人だけである。食堂のおばちゃんやお姉ちゃんと野球談義をしながら、逆転満塁ホームランを見た。広島の学校を応援していた彼女たちは悲鳴を上げていた。
ようよう気分も落ち着いたところで今治へ引き返す。ここだけはと思っていた亀老山展望公園も断念する。とても標高300mは登れない。またいつか。ちょうど馬島のあたりで午後5時半頃となり、午前中に見つけておいた夕焼けポイントで休みながら時間をつぶした(右上写真)。広大な海に落ちる夕日を独り占めする。思えばこの島で出会ったのはおばあさん一人、少年一人だけであった。
前の日の晩ご飯はホカ弁だった。今治まで来てなぜ名物の焼鳥を食べないと叱られそうだが、一人で焼鳥屋に入って酒を飲む習慣(というか、意欲)がないのだ。さすがにこの日までホカ弁ではあんまりなので、サンライズ糸山で夕餉をとった。ここの食堂でもまた無人……。走行距離約70km。
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*1:映画「船を降りたら彼女の島」の主舞台