ドキュメンタリーとたいやき

東京たいやきめぐり (Japanesque)仕事帰りに鶴川駅前の書店でなんとなく棚を眺める。この書店は新刊書中心のごく普通の街の本屋なのであるが、なんでこんなものを置いているのかというのがあったりして、油断ならない。
今日はドキュメンタリー映画を特集する「現代思想」の臨時増刊号*1を見つける。巻頭を飾るのは9月に亡くなった佐藤真のエッセイ、それに続いて想田和弘河瀬直美の対談、以下、映画監督、写真家、詩人、評論家、プロデューサーなど、この世界に深く関わる人々のものす文章が連なる*2。今夏、「選挙」や「ひめゆり」といった極上のドキュメンタリーにやられたばかりとあって、現代における「虚実皮膜」の至芸と見えるこの世界への評言は、どれも歓心をかきたてられる。
一方で「これは私のために出版された本」と確信する『東京たいやきめぐり』(バナナブックス)は見つけられなかった。なんで。

*1:青土社 http://www.seidosha.co.jp/

*2:たぶん「ユリイカ」が同じ特集をするよりずっとハードでヘビーな面々