上原ひろみ@浜松

123静岡県を自分の足で踏みしめるのはおそらく初めてのことである。新幹線ではもう数えきれないくらい通り過ぎているのだけれど。ということで、東京に向かう途中の浜松で新幹線を降りる。上原ひろみの故郷で凱旋公演を観るのだ。
前から8列目に陣取ると、なんだかまわりに年配の人が多い。明らかにこれまでの公演とは雰囲気が違う*1。どうやら上原の親類縁者友人知人関係者などが大挙して押しかけているらしい。さすが地元である。
昨年までの公演はピアノ・ベース・ドラムのトリオ*2であった。それが新作アルバムから非常に癖のあるギター*3が加わり、バンドの音が激変した。昨冬に発売されたアルバムを聴いた時には違和感いっぱいで、「上原よ、どこへ行く……」と嘆き悲しんでいた。しかしながら、CDを聴き込み、さらにはCSで放映されたライブ番組や夏の野外公演などで新編成のバンドの音に接していくうちに、こういうのもありだと思うようになった。ファンってありがたいものですね(!?)。
果たせるかな、新作アルバムのほぼすべてを網羅するプログラムはすさまじいの一言であった。ジャズだけどロック。激しい曲調ゆえメンバーが演奏を心から楽しんでいることがまっすぐ伝わってきて、それがなにより心地よい。特に上原の演奏する姿は見ているだけで幸せな気分になってくる。昨年の公演は緊張感が極めて高く、座席に縛り付けられたような感触だったけれど、今年は体を鷲掴みにされて振り回されるような思いがした。どちらもくたくたになるのは同じ*4
アンコールのReturn of Kung-Fu World Championの終わったのが、新幹線発車10分前*5。鳴り止まぬ拍手の渦から抜け出し、余韻に浸る間もなく浜松駅までダッシュしたのであった*6。今週末、大阪と東京の両公演にも行きます!

Time Control (Hybr)【Hiromi's Sonicbloom Japan Tour 2007 "Time Control"】
1st

  • Time Difference
  • Deep into the Night
  • Time & Space
  • Time Files
  • Time Control or Controlled by Time

2nd

  • Time Travel
  • Note from the Past
  • Double Personality
  • Time Out

encore

  • Place to be
  • Return of Kung-Fu World Champion

*1:皆さん最後までお立ちにならずとても行儀が良かった

*2:上原ひろみ、トニー・グレイ、マーティン・バリホラ

*3:デビッド・フュージンスキー

*4:もっとも手放しでよかったなぁというわけでもなく、少々各自のアドリブが長過ぎて、ややもすると退屈に感じられるようなところがあった。あとPAがいまいちで音のバランスがよくなかったところも残念である。

*5:乗り遅れると町田まで帰れないの

*6:一緒に走っている人が少なからずいた、きっと東京組