カツラのようなカバー

morio01012008-01-10

そろそろ部屋の片付けを始めないとな、まずは積んだままの本をなんとかしよう、あ、なんだ、これは、忘れたままではないか、少し読んでみるか、嗚呼、愉快愉快、もうちょっともうちょっとと本来の目的をすっかり忘れて、山崎ナオコーラの『カツラ美容室別室』(河出書房新社)を読み始めたら止まらなくなって、そのかわりにやるべきあれやこれやのための時間は美しく雲散霧消してしまった。こういうストーリー重視でない「気配小説」は好きである。そこらへんに転がっているどうしようもない感情をうまく掬い取っていると思った。来週末公開の映画「人のセックスを笑うな」(井口奈巳監督、ナオコーラ原作)も楽しみだ。蒼井優が出るのでよろしく。
山崎ナオコーラを堪能した後、水道、ガス、電気の手続きをする。町田が東京に入れてもらっていないことを思い知らされる。都内なんだから、いっぺんに開閉を受け付けてくれたらいいのに、「町田と世田谷は違います」だって。ちぇ。めんどくさ。それから不動産屋にも契約のことで連絡を入れる。
昨日の日記に書いた「お前さんが写真家を名乗るのか」という人の撮った写真のついている西加奈子の『さくら』(小学館文庫)であるが、驚きましたよ、なんと同じ大きさのカバーが二重でかかっていたのだ。さらに帯まで。こうして地球温暖化はますます進むのだなぁ、あんたが余計な写真を撮るからこういうことになるのだと、例の人に心の中で食ってかかった。奥原しんこ*1のイラストの方が圧倒的にいいので、内外を交換する。というか、奥原を隠す意味がまったくわからない。小学館、センスなさ過ぎ。いやいや、奥原のイラストカバーを中に残しているところに小学館の良心や本音を見るべきか。