21世紀でも不憫なハチ公

morio01012008-03-24

いささか旧聞に属するが、岡本太郎の「明日への神話」の恒久設置場所が渋谷に決まった。
岡本太郎に縁のある渋谷、太陽の塔を持つ吹田、原爆を描いたというところから広島、それぞれが名乗りを上げていた。吹田市民としてはあの絵が来ることは喜ばしいけれど、正直なところ、太陽の塔があるというだけではちょっと決定力に欠けるなと思っていた。それで、作品のテーマから広島がふさわしいんじゃないかと考えたわけだが、案の定というべきか、きっと大人の事情があって渋谷に決まってしまった。
渋谷へ招致しようとする人たちの作ったサイトを見てみるとよい。そこには大きく「ハチ公から太郎へ」とある。単なるシンボルとして、いやもっと言えば、単なる目新しい客寄せ施設として、「明日への神話」を捉えているのではないのか。当然、この芸術作品の価値や意義は度外視している*1。ハチ公が渋谷駅と深い関わりを持つという*2、言わば歴史に根ざした動かしがたい事実があるのに対し、「明日への神話」は渋谷とは直接的な関係はない。古いものとして追いやられてしまうハチ公があまりにも不憫である。どうせなら著名な美術家とか彫刻家とかに新しいハチ公像とかハチ公壁画でも作らせたらいいのに*3。その方が渋谷にはふさわしいと強く思う。かぷかぷ。
明日の神話 再生プロジェクト http://www.1101.com/asunoshinwa/index.html
渋谷招致のサイト http://www.salf.or.jp/tarotoshibuya/index.html

*1:もちろん後付けの理由は山ほど捻り出しているだろう

*2:wikipediaあたりを見てください

*3:奈良遷都のキャラみたいになっても困るけどね