抹殺されるうっかり八兵衛

ケモノと魔法(初回限定盤)小学生の写真絡みの事件で保護観察付き執行猶予となった男が、またしても子供の写真を撮るために小学校に不法侵入して、保護者に取り押さえられた後、逮捕されている*1。メディアによって伝えられるところだけで判断すれば、妥当な処置であると思われる。と同時に、このニュースを読みながら、パンヤさんのブログの記事をふと思い出した。
同志(カメヲタ)に告ぐ! http://panya07.exblog.jp/7967434/
息苦しい思いがする。というのは、自分自身がカメラを首からぶらさげて駒沢公園をうろついたからということではなく、いつわが身にそのような嫌疑がふりかかるかわからないという圧迫感を感じるからである*2。「変な目的はない」「つい撮っちゃったぁ」などとうっかり八兵衛を気取っても、世間は決して許してくれない。受け取る側がどう感じるかがすべてなのである。実名報道され、職場が暴かれ、ついでにパソコンの中身や本棚の写真集も暴露され*3、人生が崩壊する。たぶん。
趣味については、ちょうどタコさんがおもしろい考察を加えているけれど*4、趣味が写真というのは、終戦記念日に小泉元首相が参拝したがった某神社で赤い旗を振るくらいの危険な行為になりつつあるのかもしれない。趣味とは「利益などを考えずに好きでしている物事」(『新明解国語辞典』第六版)とある。街中で好きな写真を撮るという、そんな無駄で役立たずな行為も、いい歳をしたオッサンにはもはや命がけである。
原田郁子クラムボンの4年ぶりの新譜がやってきた。緩い気配に息苦しい思いが少しだけ晴れる。

*1:http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2008/06/03/20080603dde041040052000c.html

*2:親が不審者に対して疑心暗鬼になる気持ち自体は理解できる

*3:この辺は軽く流してください

*4:http://taco.jugem.cc/?eid=1105