シロイルカに歓声

夜半から本格的に降り始めた雨はいよいよ強くなっていた。もう自転車で走るどころの騒ぎではない。ホテルから松江駅まで移動しただけでずぶ濡れになる。なんでやねん。
この日は浜田まで行く予定にしていて、その途中で琴ヶ浜、浅利海岸、アクアスしまね海洋館*1に立ち寄り、その後、映画「天然コケッコー」のロケ地をいくつか回るという盛り沢山な計画を組んでいた。大雨でも問題ないのはアクアスしまね海洋館のみ……。特に鳴き砂で知られる琴ヶ浜は母方の祖父母が住んでいたところで、小学生の頃は毎年のように海水浴に訪れていた場所である。再訪するのを楽しみにしていたのに、がっかりである。
なんとなく盛り上がらない気分で波子まで輪行する。波子の駅舎でアクアスの割引券を販売していたので購入する。駅から徒歩10分くらいの距離であるが、ちょうど雨もやんでいたので、tikitを展開して走らせることにした。ちなみにこの日自転車に乗ったのは、駅とアクアスとの往復だけであった……。
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アクアスには広大な駐車場がある一方、まともな駐輪場がない。昨日訪れた植田正治写真美術館も同様であった。確かに自転車で行くような酔狂な人は少ないのだろう。でもちょっとくらいは配慮してもよさそうなものだが。仕方がないので、相談窓口のようなところで、鞄と一緒に折り畳んだ自転車を預かってもらうことにした。嫌な顔一つせずシルバーな男性二人が荷物を抱えて奥に入っていった。
夏休みのアクアスは子供連れの家族で混み合っていた。流行(?)の大水槽やアクリル製の水中トンネルなど、良くも悪くも今時の水族館という印象である。しかし、今回の目的は何と言っても「島根のおじさま*2」として一躍有名になったシロイルカを見ることである。他のところはちゃちゃと見学し、さっさとシロイルカのプールに移動する。
思ったよりでかいのである。びっくりした。そのでかいやつが三頭、実に愛嬌たっぷりにいろいろなことをしてくれる*3。もう骨抜きになるほどメロメロになった*4。有名な幸せのバブルリングも五輪にちなんで大放出だ。この後に見たアシカ&アザラシ・ショーでも感じたのであるが、アクアスのショーは単に仕込んだ芸を見せるだけでなく、生物としてどういうものであるかを客にきちんと伝えようとしている。そこがすばらしいと思った。シロイルカの体がぷよぷよであることやアシカとアザラシの見分け方とか、いろいろ勉強になりました。小学生ならこれだけで夏の自由研究は完璧だろう。もっとも同じような課題を持ってくるやつがクラスの三分の一くらいいそうだけど。
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アクアスに満足し、浜田に電車(いや、ディーゼル車)移動する。駅から出ると、またしても雨。あわよくばと思っていた「天然コケッコー」のロケ地巡りは完全に諦めた。ホテルは徒歩三分のところなので折り畳んだまま持ちこむ。夕食を食べるべく散歩がてら周辺をうろつくも、まともなところが見つけられない。結局、島根の西までやってきたのにもかかわらず、大阪王将麻婆丼を食べることになった。

*1:アクアスしまね海洋館 http://www.aquas.or.jp/

*2:ソフトバンクCM http://mb.softbank.jp/mb/special/TheWhites/cm.html#f_gallery

*3:野生生物をこういう場所で飼うとか芸をさせるなどの是非について、いろいろな意見もあろうかと思うが、いまはその種の議論はしない

*4:嬉しくなってシロイルカのショーは2回も見てしまった